全米が震えた……という表現が決して大袈裟ではなかった、現地時間6月27日夜に放送された、バイデン大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会。ウクライナ侵攻とパレスチナ問題に影響を及ぼす超大国アメリカで、なぜ4年前と同じ顔ぶれの81歳と78歳がシルバーシート…ではなく大統領の椅子を奪い合っているのか、極東の視聴者にはまるで理解できない。
しかも、バイデン大統領の様子は尋常ではなかった。声が出ない、会話がつかえる、おかしなことを喋る、咳が出る、トランプ前大統領が話している間も落ち着かない…。
6月にイタリア南部プーリアで開かれたG7サミットでは、バイデン大統領が他のG7首脳と違う方向へと「徘徊」するニセ動画が、SNSで拡散された。大統領選をめぐり、ネット上にはまたフェイク動画が出回っているが、バイデン大統領がG7夕食会を欠席したのは紛れもない事実。健康状態はどうなっているのか。
1年前の2023年6月24日の本サイト記事で、バイデン大統領はアルツハイマー、ロシアのプーチン大統領はレビー小体型の認知症をそれぞれ患っていると報じた。両大統領とも認知症特有のちょこちょこ歩きが特徴的で、アルツハイマーは言葉が話せなくなってキレやすくなり、レビー小体型は被害妄想が激しくなる。どちらも核のボタンを持たせるには、危険水域に入っている。
特にバイデン大統領は1年前の岸田「大統領」の名前を忘れる記憶障害から、言葉が話せない、唾や飲み物がうまく飲み込めなくなる嚥下障害、会話が成り立たない認知機能の低下など、討論会ではアルツハイマーの進行が残酷なまでに世界に晒されてしまった。
これで歩行困難、精神錯乱などアルツハイマーの末期症状が現れると、半年以内の死亡率が飛躍的に上昇する。さすがに民主党寄りのNYタイムズ、タイム誌からも、バイデン大統領に退陣を求める声が上がり始めた。
バイデン大統領が政治家を引退できないのは、もはや判断力を失った本人に代わり、側近がそれを許さないからだ。
例えば、現在の大統領首席補佐官ジェフリー・ザイエンツは、アメリカの医療保険制度改革法(オバマケア)の成立に尽力。その後、保険に未加入だった貧困層の加入を斡旋する医療保険加入サイトを立ち上げたほか、バイデン政権では新型コロナワクチン開発などのコロナ対策に従事し、医療保険から医薬品業界にまで影響力を持っている。
共和党のネオコン(新保守主義)、故ラムズフェルド氏がインフルエンザ治療の特効薬「タミフル」を製造販売する製薬企業の大株主だったことは有名な話だが、自らが株購入もしくは未公開株を譲り受けた製薬企業の治療薬やワクチンが「世界的パンデミックの特効薬」に選ばれれば、巨万の富を産む。
特にザイエンツ首席補佐官が「地ならし」した医療保険業界はこの5年で、その市場が3.8兆ドルから5兆ドルを突破。ワクチン世界市場も800億ドルから1400億ドルにまで急拡大すると予測されている。
なぜ、アメリカ大統領候補が年寄りばかりなのか。民主党も共和党もカネに執着しない気のいい老人、「軽い神輿」の方が都合がいいからだ。
(那須優子/医療ジャーナリスト)