ちょっと意味ありげだ。巨人が米3Aパシフィックコーストリーグ首位打者のココ・モンテス内野手を獲得することが判明した。エリエ・ヘルナンデスに続く打線強化策だが、「正式発表後」も注視しなければならない問題がある。米在住ジャーナリストが言う。
「モンテス獲得の第一報は、現地報道でした。最初は『NPBのセ・リーグ』と伝えられ、その後に『巨人』と出たのです」
「セ・リーグ」と伝えられた直後、広島が左肩を手術することになったレイノルズ内野手との契約を解除。退団を正式発表したのは6月28日だった。しかし「モンテスの移籍先はセ・リーグ」と報じられた26日時点でレイノルズ退団も表に出ていたので、「本当に巨人か。広島かもしれない」との声が、セ・リーグ球団スタッフから出ていた。
こちらは単なる「偶然」で終わったが、問題は巨人入団後だ。モンテスはどのポジションを守るのだろうか。スポーツ紙デスクの見解はこうだ。
「坂本勇人が打撃不振で2軍に降格しました。三塁を守っている岡本和真が一塁に戻って、モンテスが三塁に入るのでしょう」
阿部慎之助監督はモンテス獲得後に坂本が復調して初めて、ベストメンバーを組めると思っている。問題は「三塁・坂本」の帰還後だ。モンテスの今季の出場データを見てみると、二塁で35試合、遊撃で8試合、三塁で11試合とある。本職は二塁手のようだが、巨人には吉川尚輝がいる。そうなれば、門脇誠の打撃成績が上がってこない遊撃という可能性も出てくる。前出のスポーツ紙デスクが言うには、
「阿部監督は『センターラインは日本人で』と語っていたはず」
となれば、方針変更か。2割3分5厘のチーム打率(リーグ4位、6月30日時点)では、やむをえないのだろう。
巨人では2017年のクルーズ以降、外国人選手が遊撃手となったことがない。巨人の失策数25は12球団最少(6月30日時点)。モンテスは「強肩」と紹介されているが、吉川との二遊間コンビがうまくいかなければ、守備でチームが崩壊する危険性がある。後半戦、坂本が「遊撃に再コンバートされる」なんてことにならないか、心配になってくる。
(飯山満/スポーツライター)