芸能生活50周年を迎えたお笑いタレントの関根勤が、巨人OB・元木大介氏のYouTubeチャンネル〈元木大介チャンネル〉で、昭和史を華麗に彩った大物俳優・勝新太郎の、驚きにしてユーモアあふれるエピソードを明かした。
それは関根の盟友である小堺一機から聞いた話だった。とある飲食店で、運ばれてきたステーキを前に勝は、迫力満点に言い放つ。
「こんな肉じゃねぇだろ、バカ野郎!」
驚いて取り繕うホールスタッフ。
「同じ肉だと思います」
「ふざけんじゃねぇ! シェフに聞いてこい!」
ホールスタッフが背を向けると、勝は人が変わったように言った。
「小堺、見たかあの顔。あれが本当に驚いた顔だよ」
慌ててやって来たシェフに、勝はチップとして1万円札を渡すと、
「悪かったな。ちょっと実験したんだよ」
また別の話もある。勝は妻の中村玉緒に「女のところに行ってくる」と平然と口にした。自宅の電話番号は知らないのに、その女の連絡先はスラスラと言えたことから、中村は激怒。すると勝は、
「玉緒、それが怒った顔だぞ」
と演技指南したのだとか。
勝とは良き友人だった石原裕次郎と酒の席で大喧嘩になると、頃合いを見て「いい芝居だったな」と切り上げ、周囲を驚かせるための演技に見せかけていた、という逸話もある。
思えば勝は1990年、ハワイ・ホノルル国際空港で肌着にマリファナとコカインを隠し入れて現行犯逮捕されると、
「気付いたら入っていた。もうパンツは履かないようにする」
とボケ通した。破天荒な大物俳優が愛されたのが、昭和という時代である。
(所ひで/ユーチューブライター)