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横浜F・マリノス「ミスター途中解任男」の反論にサポーターがブチ切れた「当然の理由」

「名選手は名監督にあらず」という言葉を体現しているのは、サッカーの横浜F・マリノスを率いるハリー・キューウェル監督だ。

 6月29日のJ1第21節、ホームでの東京ヴェルディとの対戦に1-2で敗れると、試合後にゴール裏のサポーターから大ブーイングを浴びた。

 直後の会見で「みなさんの悔しさはわかります」と前置きをしながら、「選手たちがすべてを出し切った中でこういう結果になり、そうした時のブーイングはどうなのかと思う」と、不満を漏らした。

 だが、問題は選手たちではなかった。直後のXでは「キューウェル解任」がトレンド入りするほど、自身が崖っぷちに立たされているのだ。

 今シーズンから新監督に就任した元オーストラリア代表のキューウェルは、日本のみならず、世界のサッカーファンに知られた超有名選手だった。

「現役時代はイングランドのプレミアリーグを主戦場として、特に名門リヴァプールでは、05年にACミラン(イタリア)と死闘を繰り広げたチャンピオンズリーグ決勝戦に出場。技巧派の名ウイングは〝オズの魔法使い〟の異名をとり、目の肥えた地元サポーターを唸らせていました」(サッカーライター)

 それほどの大物が横浜の監督に就任した経緯は、18年シーズンから率いたアンジェ・ポステコグルー氏、21年7月に就任したケヴィン・マスカット前監督と続く、「オーストラリア路線」にあった。

「ポステコグルーとマスカットは、いずれもJ1を制覇しています。ポステコグルーは横浜のあと、セルティック(スコットランド)の監督に就任しましたが、その時のコーチがキューウェル氏でした。この縁があって、今シーズンから横浜を任されることになったのです」(前出・サッカーライター)

 出足は順調だった。就任から半年も経たずにアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝までチームを導き、「熱すぎる」と言われるほどの情熱的な指導が選手に好評だった。

 だが、Jリーグでは超攻撃的なスタイルが機能する一方で、守備陣との連携はうまくハマらないまま、月日が流れた。「点を取られたら取り返す」という、スペクタルな試合展開になかなか持ち込めないのだ。第21節を終えた時点で12位(7勝8敗5分)は、横浜とは思えない低迷だ。

 実は、就任時こそ「オーストラリア路線」と「超有名選手」の話題が先行していたが、欧州でのキューウェル氏の監督としての評価はイマイチだったという。

 現役引退後にワトフォード(イングランド)のアンダー世代で監督キャリアをスタートさせると、17年5月にクローリータウン(英4部)を任された。ここでも勝率3割強と黒星が先行する褒められた内容ではなかったが、それ以降のキャリアはもっと悲惨だ。

 前出のサッカーライターが振り返る。

「18年8月に就任したノッツ・カウンティ(英4部)では、最下位のチームを立て直すことができずに14試合で解任。20年8月から指揮を取ったオールダム・アスレティック(英4部)では、昇格プレーオフ圏に届く気配すらなく、シーズン途中に成績不振で解任されています。さらに、21年6月から率いたバーネット(英5部)は、開幕スタートに失敗し、一度も勝利することなく、わずか7試合でチームを去りました。まさに『途中解任のデパート』です」

 なんとか1年もったのは、クローリータウンだけ。トップリーグでの監督経験もなければ、優勝争いをするチームを率いた経験もない。何一つ魔法が使えない監督に、名門をこのまま任せてもいいのか。完全なハズレ監督に、サポーターがブーイングを浴びせるのは当然の流れだったのだ。

 今回のブーイングがはたして、お決まりの「解任劇」の合図となるのだろうか…。

(風吹啓太)

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