あの勢いはどこへいってしまったのか。北海道日本ハムファイターズが急失速しているのだ。本拠地エスコンフィールド北海道でのソフトバンクとの3連戦で、まさかの全敗。3本柱の山崎福也、伊藤大海、加藤貴之を注ぎ込んだが、返り討ちにあってしまった。
最大で9つあった貯金は0になり、勝率は5割(7月1日時点、以下同)。首位独走のソフトバンクに軽くあしらわれ、そのゲーム差は14と、最大目標に掲げる優勝は絶望的な状況だ。
「レベルの違いが感じられ、ファンに楽しい試合を見せられなくて歯がゆい」
勝負の夏を前に、新庄剛志監督の口からは「降参宣言」ともとれる言葉が出てくるのだった。北海道スポーツメディア関係者が、失速の理由を解説する。
「田中正義や河野竜生といったリリーフ投手が疲れ、打たれてしまいました。選手層が薄いため、これといった代わりがいません。休ませたくても、休ませることができないのです」
「マイナビオールスターゲーム2024」のファン投票最終結果が7月2日に発表され、日本ハムの選手が大量に選ばれた。まさに「球宴ジャック」の様相を呈しているのだが…。北海道スポーツメディア関係者が嘆息する。
「若い選手が多く、1年間フルに戦った経験が少ないので、疲労が溜まってきています。本来ならオールスター期間中に、まとまった休みを取らせたいところ。今年はエスコン開催ということもあって、ファン投票が日本ハム選手に集中しました。新庄監督は痛しかゆしですよ」
クライマックスシリーズ進出圏の3位をキープしているものの、4位の楽天に1.5ゲーム差で追われている。
「事実上、Aクラスを狙う戦略に切り替わりました。ソフトバンクを眼中から外してロッテ、楽天、オリックスとの順位争いをしていくことになるでしょうね」(球団関係者)
これをどう立て直すのか、新庄監督の手腕が見ものである。
(渡辺優)