女子大生ニューヒロインが誕生した。女子ゴルフ国内ツアー「資生堂レディス」で、プロ4年目の桑木志帆が悲願のツアー初優勝を飾ったのだ。
最終日、桑木は1打差2位で出て4バーディー1ボギーとスコアを伸ばして69で回り、通算11アンダー。昨年の資生堂レディスはプレーオフの末に敗れていたので、リベンジ成功である。倉敷芸術科学大学に通う女子大生の桑木は、
「もう夢中だった。去年の忘れ物を取りに来られた。また2勝目、3勝目と重ねられるように頑張りたい」
と嬉し涙を流したのだった。ゴルフジャーナリストが、彼女のゴルフの特質を解説する。
「体とボールの位置を離して大きく構え、下半身の捻転による豪快なスイングで、260ヤードを超えるビッグショットを打っています。両足が地面に着いたままクラブを振る『ベタ足スイング』が特徴ですね。グリーン上ではこれまで打ち切れないパットが多かったのですが、強気でねじ込むことが増え、メンタルが成長しました」
岡山理科大付属高校時代の2020年8月には、石川遼主催の全国ジュニアトーナメント「The One」で優勝した。2021年6月にプロテストに合格すると、その年の新人戦「加賀電子カップ」で初優勝を果たした。今年は初めてシード権を獲得して、18試合でトップ10入り8度と、安定している。前出のゴルフジャーナリストが成長の秘密を明かすには、
「特定のコーチを付けず、父親の厳しい指導と自己流で上達してきました。一時は心ないファンから体型を中傷され、『ガンダム』とイジられて落ち込むこともありましたが、それを踏み越え、力に変えてきた。今年2月にはロサンゼルスで秘密合宿を行い、ショートゲームを磨いています」
大雨の影響で2日目の競技が中止となった後は、女子大生らしくホテル近辺のネイルサロンを予約してツメを手入れ。ウイニングパットを決めると、そのキレイな指先を突き立てた。
同郷のスター選手になぞらえて「渋野日向子2世」と呼ばれる桑木。そのオシャレな美貌と斬新なプレーは、ますます熱い視線を浴びることだろう。
(渡辺優)