「巨人の三本柱」と聞いて往年の野球ファンが思い出すのは槙原寛己氏、斎藤雅樹氏、そして桑田真澄2軍監督である。この3人の当時の年俸について明かしたのは、槙原氏だ。野球解説者・大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉に出演すると、こう嘆いてみせたのだった。
「2年間、1軍で投げてない。ヒジをケガしたりして、シーズンほぼやってないのに、年俸発表された時に俺の上にいたんだよ。俺よりも給料の公示が下だったのに、もらってんじゃん」
1995年5月24日の阪神戦で、桑田2軍監督は湯船敏郎の小フライを捕球しようとダイブして、右ヒジを強打。トミー・ジョン手術を受け、シーズンの残りと翌1996年を棒に振った。1997年4月6日の試合で661日ぶりに復帰登板すると、マウンドにひざまずいて右ヒジをプレートにつけた。今も記憶に残る、印象的なシーンだ。
槙原氏が納得いかない年俸事情は、この時期のことを指すようで、
「2年間働いてないのに俺より上じゃん…ってことは、ベースがめちゃくちゃ上だったってことになる。斎藤とか俺とかがいるから、年齢的に序列があるから、球団としてはこういう発表をしてくれ、って言ってんだろうなって。桑田ならあるなと思った。交渉とか、いろんなものが上手いから」
今季の巨人では、打撃不振から2軍落ちした坂本勇人に、桑田2軍監督が「橋本到(2軍打撃)コーチと議論してみたら?」と、35歳の坂本より年下、34歳の若手コーチに助言を求めるよう斬新な提案。「コーチの育成も僕の仕事」と話している。
「主力の状態を上げること」「故障組の復帰サポート」「若手育成」「コーチ育成」と4役を担う桑田2軍監督だが、これも交渉の上手さを見込まれての大役なのであろうか。
(所ひで/ユーチューブライター)