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「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」が五輪直前に師匠をパワハラ告発/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」

 東京五輪開幕まで4カ月を切ったタイミングで、パワハラ告発騒動を行った選手がいる。「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」と呼ばれ、人気を博していた植草歩だ。

 彼女がJOCの相談窓口に駆け込み、10年間にわたって指導を受けてきた師匠をパワハラで告発したのは、2021年3月のこと。翌日の新聞各紙にはセンセーショナルな見出しとともに、植草が母校の恩師で全日本空手道連盟の香川政夫氏から竹刀で顔面を突かれた、とする記事が大々的に報じられた。

 その後「左眼球打撲傷と診断された」と自身のブログで明かしたことで、空手界のみならず、スポーツ界全体を揺るがす大騒動に発展したのである。

 植草は65キロ超級で、2016年の世界選手権で優勝。体重無差別で争う全日本選手権では2015年から2018年に女子初の4連覇を達成するなど、その強さは際立っていた。東京五輪には61キロ超級で出場予定で、メダル獲得に大きな期待がかけられていたのである。

 一方の香川氏は植草の母校・帝京大学の監督で、植草とは師弟関係にあり、どの関係者の目にも「本当に心を通わせた信頼関係が見てとれた」という。それだけに、筆者の取材に連盟関係者は、

「青天の霹靂という以外の言葉が見つかりません」

 と言葉を失っていたものである。

 ところが当初、刑事告訴も視野に入れていた植草が、その方針を撤回。全空連は竹刀を使った練習は認められないとしながらも、パワハラと認定しなかったことで、スキャンダラスな話題だけが先行し、不本意な形で注目を浴びるだけとなった。

 そんな植草が騒動後、初めてオンラインで取材に応じ、金メダルへの思いを口にしたのが、東京五輪開幕まであと2週間となった7月9日だ。

「東京五輪は私たち空手家にとって夢の舞台。この舞台で私自身の空手の集大成を見せられるように、残り1カ月、最善を尽くして最高のパフォーマンスを発揮し、金メダルを取りたい」

 そう語る彼女の表情はどこか吹っ切ったように見えたが、騒動については言及せず。前出の連盟関係者はこう語った。

「植草が『空手界を盛り上げよう』と努力していたことは事実ですが、『空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ』などと言われ、テレビにも出演、芸能プロに所属するようになってから、香川氏との関係に微妙なズレが生まれてしまったようです。ただ、本人がどこまで本気でパワハラ告発をしたのかは疑問で、連盟関係者の中には、本人もここまで大ごとになるとは思わず、あと戻りできなくなったのでは、といった声もあります」

 しかし、そんな精神状態で最高のパフォーマンスを発揮できるはずもなく、東京五輪では1次リーグで2勝2敗の4位。準決勝には進めず、7位で終わることになった。

 植草は今年7月7日、フィリピンでの国際大会で優勝。この試合を最後に引退を表明した。

 あの騒動はいったい何だったのか。空手界では今でも七不思議のひとつとして語り継がれているそうだ。

(山川敦司)

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