「嫌われてもいい。強くするんだ」
そんな思いで昨シーズン、原辰徳監督のもと、巨人1軍打撃チーフコーチを務めた大久保博元氏が、YouTubeチャンネル〈ダグアウト!!!〉で、衝撃のエピソードをバラした。
大久保氏は巨人で嫌われ役を買って出たと振り返るが、その原点は西武時代にあった。
大久保氏が影響を受けたのは、渡辺久信監督のもと、2008年に西武ヘッドコーチに就任した黒江透修氏。この年、大久保氏は渡辺監督からの要請で、西武1軍打撃コーチになった。ところが黒江氏とはソリが合わず、仲たがいすることが多かった。そしてこの年、西武は日本一に輝く。今になって思えば、
「黒江さんは嫌われ役をやる人だったんです。クソジジィって思ったんですが、自分が嫌われてもチームを強くするんだって、そういう人だって全く思わなかったんで…」
翻って、巨人ではどう振る舞ったのか。坂本勇人の名前を出して、大久保氏は次のように語ったのである。
「坂本勇人という2000本以上打ってる人に対して、僕が『なんだそれは!』みたいなことがあれば、ちょっとでもチームがショックを受ける。見逃して三振したりしたら、ホワイトボードを叩いたりすると『うわぁ…』みたいになるわけなんです。坂本勇人選手も俺のこと『クソ豚、コラァ!』みたいに思ってくれて、アドレナリン出してくれて『黙らすぞ、コラ!』みたいな。2008年の西武は『黒江さんを黙らすぞ』ってのがテーマだったんです」
昨年の巨人は2年連続のBクラスで4位に甘んじたが、大久保氏の策略通り、チーム打率2割5分2、本塁打164本はセ・リーグ1位だった。
ちなみに昨年の坂本は開幕から22打席無安打と不調が続いたが、シーズンを終えてみれば、打率2割8分8厘、22本塁打、60打点を記録している。
(所ひで/ユーチューブライター)