幸先のいい好調なスタートを切った。パリオリンピックは開会式に先立って競技が始まり、サッカー男子の1次リーグでは、日本代表がパラグアイと対戦して、5対0で撃破した。
前半19分に三戸舜介が振り抜いて先制点を決めると、その3分後に相手のウィデル・ビエラが危険なプレーでレッドカードが出され、一発退場。数的有利を得た日本は押し気味に試合を進め、後半18分に三戸が2点目を頭で合わせてゴール。後半24分は山本理仁がロングシュートで追加点を入れ、後半36分、42分に藤尾翔太が立て続けにゴールを奪った。
南米予選1位のパラグアイに、日本はなぜ圧勝できたのか。サッカージャーナリストが分析する。
「早い時間帯で1点を決めて、パラグアイに焦りが生れましたね。退場で1人減ってからは日本のスピードと機敏性が発揮され、相手ディフェンダーを混乱させました。時間が経つにつれて、パラグアイのイラ立ちがプレーに現れて、荒い展開になりました」
年齢制限のないオーバーエージ枠を使わず、久保建英や松木玖生らの招集にも失敗。しかし今回のU-23五輪日本代表を率いる大岩剛監督の采配が的中。移籍によって招集できなかった松木に代わり、左のインサイドハーフで起用された三戸が、パスワークと得点力で大ハマリした。
「大岩監督は戦術研究に長けていて、選手に寄り添う熱い指導で知られています。選手や協会からの信頼は厚く、パリ五輪でメダルを取れば『ポスト森保』の一番手となり、次期A代表監督の座がほぼ確実になります」(前出・サッカージャーナリスト)
1968年メキシコ五輪以来、56年ぶりのメダル獲得なるか。次戦は7月27日、1次リーグ第2戦でマリと激突する。
(渡辺優)