7月20日に8年5カ月ぶりに復活した熊本競輪の旅打ちをようやく果たし、翌21日は小倉に向かった。小倉といえば11月恒例の小倉競輪祭だが、今回は小倉競馬場である。
小倉には熊本から九州新幹線みずほ号利用なら博多の次で、たった2駅、所要時間は50分程度。とても早い。本当に便利になった。行きは熊本空港を利用したが、今後は飛行機の便や料金次第では、福岡空港を利用して九州新幹線を使う方法も考えた方がよさそうだ。
小倉で競輪場に行く時には、北九州モノレールを利用する。3つ目の春香口(かわらぐち)三萩野で下車して、7~8分歩く。競馬場には三萩野駅から4駅、小倉競馬場前で下車する。競馬場直結の駅で、降りたところがまさに競馬場だ。競馬場の反対側には北九州市立大があり、社会勉強を志す学生にとっては、これ以上ないキャンパス環境ではあるが…。
この日は夏競馬の最終日。今年のラストデーでもある。この機会に小倉入りしないと、97場完全制覇は来年までお預けになるから、是が非でも出かけるしかなかった。小倉は全ギャンブル場制覇の95場目。完全制覇まで残り3場だ。
この日は重賞レース、GⅢの中京記念が行われた。場内は最終日とあって、ものすごい混雑ぶり。入場者は約1万7000人だった。気温は軽く30度を超えている。その湿った重たい暑さと熱気は、さすがに体にこたえる。
この間JRAを回り続け、2回に1回は指定席を取り損ねている。早い段階で売り切れてしまい、その時点でもはや席をゲットする手立てがない。結局、入場券で入ることになるが、場内でフリーの席を探しても、新聞を置いて場所取りしているケースがほとんど。仕方なく立ちっぱなしだ。若者ですら、疲れ果てて床に座り込んでいる姿を見かける。この状態、どうにかならないか。そのうち、競馬人気に胡坐をかいて…なんて話にならないことを祈る。
小倉競馬は芝の直線が293メートル、ダートは291.3メートルの平均的な長さ。馬場のことはあまり気にせず、馬券を買うことができそうだ。
前週の結果をチェックしたら、荒れ模様だった。難しそうな競馬場という印象だったが、前日20日は人気上位馬が3着までに入るレースが多く、落ち着いた結果になっていた。この日の前半戦も、大荒れはしていない。
5Rは2歳新馬戦、芝1200メートル、14頭立てのレース。どの馬が強いか、まったく見当がつかない。こういう時は当たるも八卦、当たらぬも八卦。専門紙記者の目利きを頼る手だ。
印が固まっている枠をチェックする。1番人気は4枠⑤、2番人気の⑧と3番人気の⑦は5枠、4番人気は8枠⑬、5番人気が7枠⑫。
何も考えず、人気馬が揃った5枠から枠連馬券でいく。④⑤と⑤⑧に各1000円。トリガミにはならない。結果は⑤⑧740円だった。幸先のいいスタートだ。
3歳未勝利戦、ダート1700メートル、16頭立ての6Rと、3歳以上1勝クラス、芝1800メートル、12頭立ての7Rも枠連でそれぞれ3点、2点しか買わなかった。6Rは480円、7Rは800円の払戻金だったが、どちらもドボンである。
7Rは人気馬が同居した7枠両頭が1・2着の⑦⑦。ゾロ目は買わないから、外れても仕方がない。
飲食店は4階以外の各階にあるが、お目当ては2階のフードコートだ。ここも混雑がすごい。いちばん手前のうどん「立花」には、ずっと長い行列ができていた。ターゲットはここの冷しむぎ680円。冷やむぎではなく、冷しむぎ。赤と緑が1、2本紛れ込んで涼しげである。この暑さだから、体を冷やす食べ物に限る。
ここでも場所取りがひどくて、やっとのことで席を確保し、ツルツルとやって、ようやくひと息ついた。
(峯田淳/コラムニスト)