言いたいことはわかるが…と、多くの野球ファンは苦笑しきりである。
フリーアナウンサーの徳光和夫が「どこのニュース番組もそうですが、スポーツコーナーで最初に放送するのがメジャーリーガーの話。日本のプロ野球がこんなに面白いのにね」と苦言を呈したことで、残念ながら「おまいう」ブーイングを食らってしまった。
熱烈な巨人ファン、王・長嶋ファンとして世間で認知されている徳光は、7月25日に放送されたラジオ番組「ナイツ ザ・ラジオショー」(ニッポン放送)に出演し、最近の野球ニュースについて話した。
番組内ではファンである巨人について雄弁に語り、最近気になることとして、スポーツ報道への苦言を口にしたわけだが、
「つまり、メジャーリーガーの話というのは大谷翔平のことですよね。スポーツといえば何より先に大谷報道がされるのが、徳光のような昭和の野球ファンには隔世の感があるのでしょう」(スポーツライター)
しかし実際、野球ファン以外の人たちが野球に関して話題にする場合、その主役は圧倒的に「大谷翔平」だ。それだけに報道の順番として「最初に放送するのがメジャーリーガー」というのは仕方ないところだろう。だが、徳光のため息まじりの苦言へのブーイングには、別の理由があった。
「昭和の時代は、スポーツといえば何より先に『読売巨人軍』の報道でした。全国がそれでしたからね。つまり、今の大谷翔平なみにスポーツ報道といえば巨人軍だったわけです。そこに徳光が物足りなさ、寂しさを感じているのはわかります。しかし、巨人ファン以外の人たちからしてみれば、何を言ってるのかと失笑モノです。地元に球団がある地域でさえ、テレビで放送するのは巨人の試合、スポーツニュースでVTR画像が流れるのは巨人、地元チームの勝敗はテロップで終わりというのが当たり前でした。そんな歪な時代に、ドヤ顔で巨人ファンを名乗っていた人に言われたくない、と思うのは当たり前。今回のコメントを聞いて、ほとんどのファンが野球に関しては『公平な時代になった』とコメントしています」(前出・スポーツライター)
とはいえ、多種多様なスポーツに人気が分散する中、いまだにプロ野球や巨人に関する報道は全国的にかなり多い。その過保護な状況はむしろ昭和の悪しき名残だと、徳光には素直に受け入れてほしい。
(飯野さつき)