ドナルド・トランプ候補(共和党)とカマラ・ハリス候補(民主党)によるアメリカ大統領選レースがヒートアップする中、トランプ氏が副大統領候補に指名したバンス上院議員の過去の大放言が、猛烈な批判を浴びている。
問題の発言は、3年前に遡る。バンス氏はFOXテレビに出演した際のインタビューで、ハリス副大統領ら出産経験のない女性らをヤリ玉に挙げて、
「子なしの猫好き女」
皮肉たっぷりにこう斬り捨てた上で、次のように言い放ってみせたのだ。
「アメリカは子供のいない、惨めな猫好き女によって支配されている。自らの選択で子供のいない惨めな人生を送る人間が、この国をも惨めにしようとしているのだ」
現在、副大統領として大統領選への立候補を表明しているハリス氏は、弁護士の夫との間に2人の子供を持つ「継母」として知られている。「猫好き女」は英語で「孤独な女性」を意味する否定的なフレーズだが、その「猫好き女」に「子なし」の冠までかぶせたバンス氏の発言が、11月の決戦を控えて大きな波紋を広げているのだ。
母親を侮辱された娘のエラさんは早速、SNSで以下のようなメッセージを投稿。バンス発言が大炎上する事態になっている。
〈私や兄のコールのような可愛い子供がいるのに、どうして『子なし』ということになるの。私は3人の親を愛している〉
一連の事態を受け、当のバンス氏はインターネット上の番組で、慌てて釈明。
「(私の発言は)様々な事情で子供を持たなかった人を批判するものではない。民主党が反家族、反子供になりつつあることへの批判だ」
こう釈明したが、女性蔑視も甚だしい一連の発言に対しては民主党内のみならず、共和党内からも批判の声が噴出。「大量の女性票を失うことになれば、トランプ氏の当選は極めて危うくなる」との危機感が広がり始めているのだ。
(石森巌)