毎年恒例の急失速である。8月4日に阪神タイガースに今季10度目の完封負けを喫したDeNAベイスターズのことだ。97試合目にして自力優勝が消滅。首位の広島カープとは大きく離れた7.5ゲーム差、3位・阪神とは6ゲーム差と開き、クライマックスシリーズ進出が怪しくなってきた。三浦大輔監督は「まだ試合もありますし、終わりじゃない。いろいろと考えてやっていきたい」と必死に前を向いたが、7月19日の時点で貯金5としてから9連敗を喫するなど1勝10敗。26年ぶりの優勝は絶望的な状況となってきた。スポーツジャーナリストが現戦力を分析する。
「リリーフ投手崩壊が原因となっています。伊勢大夢や入江大生がケガで不在で、山崎康晃も信頼がない。京山将弥や坂本裕哉、中川颯は重圧と疲労で打ち込まれています」
牧秀悟、佐野恵太、オースティン、宮崎敏郎、桑原将志、度会隆輝らマシンガン打線を形成しても低迷。今季就任4年目となる三浦監督は、退任が濃厚になりつつあるという。球団OBも表情を曇らせる。
「ファンからは三浦監督の采配批判や厳しい意見が飛び出し、風当たりが強くなっています。南場オーナーもかばえなくなってきた。これだけ戦力が整いながら優勝できないと、責任を取らざるえないでしょうね。次期監督には谷繁元信氏が候補のひとりですが、東海大学でプレーしていた息子の不祥事があり、就任には困難が伴う。石井琢郎チーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチが有力候補になっています」
大失速のベイスターズは、来季に向けた動きが慌ただしくなってきた。
(渡辺優)