巨人の5年ぶりリーグ優勝へ向けて「最終ピース」となるのは、ドラフト1位ルーキーの西舘勇陽かもしれない。
西舘は前半戦、リリーフとして26試合に登板して19ホールドを挙げたが、疲れの蓄積により、6月30日に出場選手登録を抹消。先発転向に向け、2軍で調整を行っている。
イースタン・リーグ、7月27日のDeNA戦では初先発して、3回無失点5奪三振と好投。0勝7敗で2軍降格となった赤星優志に代わり、8月9日の中日戦で1軍プロ初先発する可能性が浮上してきた。
ランナーがいないところでも、クイックモーションから150キロ超のストレートを投げられる。打者からすれば、タイミングが取りづらい投手だ。決め球はカーブで、カットボールやフォーク、スライダーのレベルも高く、将来のエース候補と目される。問題は長いイニングを投げられるスタミナがあるのか、それだけだろう。
もし西舘の先発転向が成功すれば、混戦のセ・リーグから巨人が抜け出す可能性は高まる。阿部慎之助監督のマネージメントが、酷暑の夏に光るかどうか。
「先発は登板間隔を空けて、余裕のあるローテーションを組んでいる。ブルペンもなるべく連投を避け、無理をさせない戦いをしてきました。西舘、泉口友汰、佐々木俊輔のような新人にも積極的に出場チャンスを与えて、チームが活性化しています。主力の坂本勇人、大城卓三を早めにリフレッシュさせたことも、ペナントを争う上で追い風となっていますね」(球団OB)
勝負どころで投入されるドラ1右腕。セ他球団はいかにして迎え撃つのか、見ものである。
(渡辺優)