─霜降り明星の粗品が宮迫博之を執拗に〝口撃〟。
玉袋 ああやりながら、両方で上がっていこうとか。
博士 そういうアングル、シナリオ通りにいってると思って見てたら、宮迫くんが謝って、「もう勘弁してくれ」と。
吉田 「勘弁して」の後に、もう1回ネタにしてたから、さらに粗品が怒ったという。
徳光 事務所の力が弱くなったキムタクの悪口を今さら言うというのもね。僕が大好きだったたけしさんとか、松本さんって、売れてる人にかみついてた。例えば「欽ちゃん、面白くねえ」とか。
玉袋 でも、その中に技ありがあった。
徳光 そうなんです。粗品くんにはそれがないんですよ。だから、全然面白くない。
博士 俺は霜降りのラジオを初回からずっと聴いてるし、いろんな人にこのこと聞いたんだけど、とにかく、素では礼儀正しいし、ちゃんとしてるんだけど。
玉袋 粗品が?
博士 うん。「時代を自分たちの手で変えよう」というのは伝わってくる。でもこのやり方は悪手だよね。
玉袋 ここに蛍原が絡んできたりしたら、面白くなるかもしんないよな。
徳光 キムタクの悪口を言った時に中居くんが出てきたり。それはそれで面白いじゃないですか。
玉袋 じゃあ、粗品はまだほんとに粗品だったんだ。
徳光 包茎らしいんですけど。ご自身でおっしゃってるから。
吉田 真性包茎ね。
徳光 で、そのあと、「俺、石川県に2400万円寄付したの、忘れてないか?」とか。それも関係ないじゃないですか。突っ走るんだったら突っ走ればいいのに。
博士 うーん、正攻法でやっても、どえらい才能あるけどね、(霜降り明星の)2人とも。「お笑い第七世代」とかフレーズを立ち上げても、時代が変わらない。なのに、なぜあそこまでしかいけないのか、不思議なんだけど。
吉田 攻撃対象を宮迫さんに絞っておけば、もう少し支持を得られたはずなんですけどね。周りにいるユーチューバーつまんない的な感じとか。
徳光 松本さんも横山やすしさんを茶化してたけど、あれはコントだったから。一八くんのことを言ったり。
玉袋 技ありですよ。
吉田 あれも木村一八が激怒しましたよ。
─「ごっつええ感じ」の「やすしくん」というコント。「プロポーズ大作戦」の曲に乗って歌う「♪怒るでしかし~怒るでしかし~一八はまだ夢の中~」という替え歌も。
博士 同じ事務所の大先輩だからね。あれはフジテレビもよく流したよね。
徳光 冒険として、すげえことやってるなと思いましたよ。
吉田 娘さんがショックを受けちゃって、木村一八が動いたという。
玉袋 ひかりちゃん。
徳光 あの頃もう、やすしさん、結構弱ってたから。
博士 とはいえ、吉本のあの位置にいたらさ、周りの先輩に懐柔してもらうというか、「それはダメだろ」と言われてるはずなんだけど、それがまったく見えない。霜降りの独断でやってるんだろうね。あと、都市伝説の関暁夫を呼んでメチャクチャ面白がってるのもハラハラする。
吉田 関暁夫は結構ガチにヤバいことになってて、都知事選に出た田母神さんの応援演説をやったりして、思想的にも全然、都市伝説じゃない域にいっちゃってる。
徳光 宗教家みたいに。
吉田 宗教というか、オカルトを超えた、陰謀論ビジネスみたいな方にいっちゃってて、政治と直結して。危険だと言われてる時に、あえてラジオのゲストに呼んで、「そういう人だけど、面白いこともできますよ」的な出し方をしていたのが危なっかしかった。
博士 これは深刻さを知らないというか、社会的にちょっと問題があるということを。
吉田 叩かれていることは多少わかっていたと思うんですけどね。それを俺たちがうまく調理してみせるということだったから。あれはダメですよ。最後にこの話はしておきましょうよ。「アサヒ芸能人」さようなら。
〈座談会参加者〉
水道橋博士:1962年生まれ。岡山県出身。/玉袋筋太郎:1967年生まれ。東京都出身。/吉田豪:1970年生まれ。東京都出身。/徳光正行:1971年生まれ。神奈川県出身。