JRA競馬は今週から中京、新潟、札幌の3場開催。1日36レースであわただしくなるが、勝負レースを設定し、メリハリをつけて馬券を買っていきたい。
中京ではサマー2000シリーズ第3戦の第60回小倉記念(GⅢ・芝2000メートル)がハンデ戦として行われる。出走馬は58.5キロのトップハンデ馬ディープモンスターから、52キロの最軽量馬グランスラムアスクまでの計12頭だ。
最も注目しているのは、唯一の3歳馬シリウスコルト。厳しい展開だった皐月賞(14着)を除けば大崩れしたことはなく、前走のラジオNIKKEI賞でも頭差の2着と好走している。逃げ差し自在の脚質で、2000メートルでも勝っているのが強みだ。54キロの斤量も魅力だろう。西村淳也は初騎乗となるが、癖のない馬なので心配は無用。
最終追いは美浦Wコースで行われ、単走で5F68秒7~1F11秒5を馬なりのままマーク。状態の良さをアピールしてみせた。初となる中京の長い直線が勝負のポイントとなるが、それさえクリアできれば、古馬相手でもやれるだろう。
なお、馬場関係者によると、中京の芝はここ数年では最もいい状態だそうだ。例年以上に速い時計となりそうで、逃げ・先行馬には注意したい。
新潟ではサマーマイルシリーズ第3戦の第59回関屋記念(GⅢ・芝1600メートル)が別定戦で行われる。18頭が出走予定だが、注目はこれまた3歳馬のディスペランツァとロジリオンである。
ディスペランツァは4月のアーリントンCの勝ち馬で、次走のNHKマイルCでも直線で前をカットされる不利がありながら7着に健闘している。その後、放牧を挟んでここを目標に調整。栗東坂路とCWコースで入念に乗り込まれてきた。
510キロを超す巨体から繰り出すフットワークはじつにパワフルで、スピード感は十分。55キロの斤量と現在の調子の良さをもってすれば、初の古馬相手でも引けは取らないだろう。
ロジリオンのベスト距離は、これまで2勝を挙げている芝1400メートルかもしれないが、NHKマイルCで0秒5差の3着。1600メートルも大丈夫だろう。新潟コースを経験済みなのも強みだ。
最終追いは美浦Wコースで僚馬カフェアローロ(3歳1勝クラス)を相手に行われ、6F83秒5~1F11秒4を馬なりでマークて、楽々と併入した。バネの利いた走りには惚れ惚れしてしまうほどだ。持てる力を発揮できれば、重賞初Vは十分可能だろう。
(兜志郎/競馬ライター)