サマーマイルシリーズ第3戦となる関屋記念は、毎年のように顔ぶれがいい。
今年も秋のマイル戦の頂点、GⅠマイルCSを狙うべく、これから伸してくるであろう注目すべき新顔を含め、動向が気になる馬ばかり。「真夏の祭典」とも言うべき一戦だ。
新潟を得意としてここを目標に万全を期したアナザーリリック、ルメール騎手とコンビを組む上がり馬エターナルタイム、中京記念を制して勢いに乗るセルバーグ、その他ダディーズビビッド、ディヴィーナ、フォルコメンなど、まさに多士済々。目移りしてしかたがない。
まずはデータを見てみよう。別定戦だけにそう大きく荒れることはなく、02年に馬単が導入されて以降、これまでの21年間、その馬単による万馬券は6回(馬連は3回)。この間、1番人気馬は8勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着2回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回。比較的順当に収まってはいるが、だからといって有力勢だけに目を向けてはいけない。
年齢的には5歳馬が地力にモノを言わせ、よく連対を果たしているのだが、当方が注目するのもその5歳馬、ララクリスティーヌを狙ってみたい。
前走のヴィクトリアMは14着と凡走。それ以来、3カ月ぶりの実戦となる。前走も同じ3カ月の休み明けだったが、中間の調整は、今回のほうが比べ物にならないほどいいのだ。
前走後はリフレッシュ放牧され、ここを目標にしっかりと乗り込んできた。稽古の動きは軽快かつリズミカル。きっちりと仕上げられており、力を出せる状態に達している。であれば、勝ち負けになっていい。
これまでマイル戦は3戦2勝とベストの距離。仕上がり早で、しかも暑さに強い牝馬と、走れる条件はそろっている。
オークス馬エリンコートなど近親、一族に活躍馬が多くいる血筋。よほどの道悪にならないかぎり、チャンス大だ。
逆転候補に挙げたいのはダディーズビビッドだ。春の京王杯スプリングC(3着)以来、3カ月ぶりの実戦になるが、短期放牧を挟んで、ここを目標にしっかりと調整されている。1週前の追い切りも軽快で、臨戦態勢は整ったとみていいだろう。新潟は〈1020〉と得意にしており、好走必至とみたい。
一方の小倉記念はハンデ戦だけに、狙ってみたいのは軽ハンデ馬、ゴールドエクリプスだ。
前走のマーメイドSは、2勝クラスを勝ち上がったばかりでの挑戦。一気にオープンでは荷が重く4着に敗れたが、不向きの展開ながら見せ場たっぷりの好内容だった。
夏に強い牝馬であり、ハンデは恐らく前走と同じ51㌔。サンデーサイレンスの3×4の近親配合も魅力だ。小倉は〈2000〉と相性がいいだけに〝一発〟があっていい。