8月11日に新潟で行われる関屋記念は、夏場の重賞にもかかわらず、毎年なかなかの顔ぶれになる。
一流どころは見られないものの、今年も東京新聞杯勝ち以来、半年ぶりになるサクラトゥジュールを筆頭として、新潟では3戦3連対中のジュンブロッサム、米子Sの1、2着馬トゥードジボンにディオ、さらにマイル戦での飛躍が期待される3歳馬のディスペランツァ、そしてマイル戦を得意とするパラレルヴィジョン、プレサージュリフト、メイショウシンタケ、ロジリオンなど、生きのいい面々で、馬券的にも興味をそそる一戦である。
まずは過去のデータを見てみよう。馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単での万馬券は6回(馬連は3回)。この間、1番人気馬は8勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回。そう大きく荒れることはないものの、人気馬同士による決着も少ない。まずは中穴傾向の重賞と言ってよさそうだ。
年齢的には5歳馬の活躍が目立つ。過去22年間で7勝(2着13回)と、連対実績では4歳馬(6勝2着5回)や6歳馬(5勝2着3回)を大きく上回る。
あとは出走頭数が少ないものの、3歳馬は軽斤量もあって近10年で〈1 0 2 5〉と、上位争いを演じている。当方が狙ってみたいのもその3歳馬、ディスペランツァだ。
前走のNHKマイルCは7着に敗れたが、道中、他馬と接触するなどスムーズな競馬ができなかった。それ以来3カ月ぶりの実戦になるが、早くからここを目標に調整され、乗り込み量は豊富。1週間前の追い切りも実によく、臨戦態勢はしっかり整っている。
「落ち着きも出て、気持ちの面で成長を感じる。強い古馬を相手にどこまでやれるか、楽しみ」と、厩舎関係者は口をそろえている。であれば、好勝負必至だ。
強烈な末脚が身上で、直線の長い新潟コースはピッタリ。芝のマイル戦は〈2 1 0 0〉と最も得意とするところでもある。 祖母は愛GⅠプリティポリーSを勝ち、5代母も英GⅠチヴァリーパークSを制している。母系そのものが米国の一流血脈という血統的背景から、今後の活躍が見込める馬。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
一方の小倉記念は、セントカメリアに注目したい。舞台は左回りの中京芝2000メートル。なので、同舞台で2勝を挙げているこの馬を中心視したわけだ。
6月のマーメイドS(6着)以来になるが、この馬もここを目標に仕上がりが実にいい。
アドマイヤラクティ(コーフィールドC)など兄に活躍馬が多く、なかなかの血筋。追い込み馬だけに多少、展開に注文はつくが、末脚はピカイチ。牡馬相手とあって、ハンデは恐らく前走より1キロ軽い52キロか51キロ。狙い撃ちといきたい。