和田アキ子がまたやらかしてしまった。話の流れからすれば、悪気があったわけではないだろう。とはいえ、まがりなりにもにも金メダリストに対して「トドみたい」というのは、言葉の選び方の間違いもはなはだしい。
当然のことながら、この大問題発言は大炎上。
〈名誉ある金メダリストに対し、失礼千万な暴言〉
〈女性を動物にたとえるなんて絶対に許されない発言〉
〈時代と認識のズレが凄すぎる!もう完全に引き時だな〉
こうした厳しい指摘が出るのも納得である。
和田の暴言は8月11日の「アッコにおまかせ!」(TBS系)で飛び出した。パリ五倫陸上のやり投で、トラックフィールド種目で日本女子初の金メダルを獲得した北口榛花選手に触れたのだ。
北口が試技の合間にうつ伏せの状態で、フィールドに寝転がりながらカステラを食べる「モグモグタイム」のシーンについて、
「トドみたい、横たわってるのが。かわいいな~」
と、ついつい口に出す。コンプライアンス厳守である近年のテレビ業界で、他人の容姿をイジるのはご法度で、ましてや動物にたとえるなど、差別的発言として捉えられても仕方がないことだ。芸能界のご意見番的な存在として君臨してきた和田だが、今の時代に公共の電波に乗せて流すような言葉ではなかった。
「アッコにおまかせ!」での和田の「ついうっかり発言」は枚挙にいとまがない。今年3月に電撃結婚を発表したドジャース・大谷翔平の話がピックアップされた際には、大谷が結婚相手の情報をほとんど明かしていない時期にもかかわらず、大谷の等身大パネルを前に、
「193センチ、大きいですね。奥さまが180センチくらいあるんでしょ」
すかさず宇内梨沙アナウンサーが「あ、奥さまの情報、何もわかっていないので」と言葉をさえぎると「しまった!」という表情の和田は「すみません、すみません」と謝罪。レギュラーの出川哲朗が「想像ですよね」と助け舟を出して「想像、想像」と苦笑いするシーンが展開された。
昨年3月に開催された野球のWBCで、日本代表として活躍したラーズ・ヌートバーの話題に触れた回では、ヌートバーの顔真似をしながら、
「どっちかというと半開きの口なんですよね、いつも。一歩間違えたらアレなんだけど、すごいあの歯がビーバーみたいでかわいくて」
今回同様、ヌートバーの仕草を動物になぞらえて、SNSを騒がせたのである。今回の「トドみたい」発言は、しばらく尾を引くことになるだろう。
口は禍の元だが、問題の本質はそのズレを理解できないことにある。
(山川敦司)