お盆休みの真っ只中、今年は最大で9連休となるため、義実家への帰省に「帰省ブルー」を感じる人は少なくないだろう。そんな中、夫婦が別々に実家に帰る「セパレート帰省」が進んでいる。
夫婦がそれぞれ子供を連れて実家に帰る場合や、片方が実家に帰省し、もう片方が旅行を楽しんだり、友人と過ごすというものだ。
「ウチもそうしています。そっちの方がいいですね」
と語るのは、都内に住む子供と孫に今年からセパレート帰省をしてもらっている、60代女性である。理由を尋ねると、次のように答えてくれた。
「孫が小さかった頃はよかったのですが、成長するにつれて、可愛いものの、面倒を見るのが大変になってきました。夫も私も、もう孫と全力で遊ぶことができません。なので、今年からは来なくていいと言いました。お嫁さんも義実家に帰省するのは気を遣うでしょうし、私たちもできるだけのんびりしてほしいので、家事をするのも大変になる。孫に会いに行く時は東京旅行も兼ねてこちらから会いに行って、ゆっくりホテルにでも泊まるつもりです」
とりわけ猛暑が続く夏に、幼い孫を連れて外出するのはひと苦労である。別の70代の男性にもホンネを聞いてみた。
「妻に先立たれて、今はのんびりと一人暮らしをしています。毎年、娘が夫と孫を連れて帰省してくれていましたが、布団を用意したり、食事の買い出しをするのが大変でした。娘婿が来ると、お互いに気を遣います。特に娘が友達と遊びに行くと、娘婿が一人で家にいることがありました。彼の両親はまだ若く、孫にも会いたがっているので、今年からは娘婿だけが帰省し、娘には旅行に行ってきたらどうか、と伝えました」
孫を持つ年配者たちも、セパレート帰省に好意的な反応を示しているようだ。
(京野歩夢)