中国を中心に猛威を振るう新型肺炎の影響は武漢市に留まらないようだ。1月25日には上海ディズニーランドが、26日には香港ディズニーランドが休園となり、期間については「当面」ということで再開のメドがたっていないという。
「東京に続いてアジアでは2番目となる香港ディズニーランドは05年に開業。日本からも観光客が訪れるなど、観光スポットの一つとして定着しました。そして16年には上海ディズニーランドもオープン。香港が世界で最も狭いディズニーランドなのに対し、上海は世界最大の面積を誇ります。こちらは最新とあってITサービスが充実しており、ファストパスを専用アプリで取れるのもメリット。園内のフリーWi-Fiも当初は中国の携帯電話番号がないと利用登録できなかったものが海外の電話番号でも使えるようになるなど、改善されています」(トラベルライター)
世界各地のディズニーランド・ワールドでは、台風やハリケーンで臨時休園したケースはあるものの、伝染防止が目的というのは前代未聞。理由が理由だけに再開時期も未定だが、一部のディズニーファンからはこんな声もあがっているという。
「香港には早期の再開を望む声が多いのに対し、上海に対しては《このまま閉園でいいよ》という極論も出ています。というのも上海ディズニーランドには悪評が多く、当初から《二度と行かない》《こんなのディズニーランドじゃない》といった怒りの声が続出していましたからね。しかもその原因が中国の“お国柄”に根付いていることから改善は期待しづらく、“夢の国”の夢を壊すくらいなら、閉園してしまっても構わないというディズニーファンが少なくないのです」(前出・トラベルライター)
上海ディズニーランドのクレームで最も多いのは、列への割り込みや追い越し。そもそも列を守るという概念が希薄な中国ゆえ、改善される見込みは薄いのが現実だ。ほかには芝生や城の内部で寝そべっている人が多かったり、偽造グッズを売りつけるダフ屋が園内にいるなど、外国人観光客を驚かせるシーンは数多い。意外なところでは食の国にもかかわらず、園内の食事がマズいという報告まで。ただし最も驚くべきは、日本では絶対に見られないこんな光景だという。
「通路のど真ん中で子供に用を足させている親がいくらでもいて、小ばかりではなく大の場合もあるなんて信じられますか?それをキャストも注意しないんですからね。あれを見てしまうと一気に心が萎えてしまうのは致し方ないでしょう」(前出・トラベルライター)
かつての中国では電車内で子供が用を足すのは当たり前で、用便しやすいように下半身が丸出しになった子供服が普通に売られていたもの。今でも地下鉄では用便禁止をわざわざイラスト付きで注意しているほどだ。現地の文化に触れる観光ならともかく、夢の国を期待した旅行者にとっては信じられない光景に違いないだろう。
(金田麻有)=写真はイメージ=