7月10日までに洞窟に閉じ込められた地元サッカーチームの少年ら13人が全員救出され、一時は緊迫したが、明るいニュースを世界に届けたタイ。観光で有名なこの国の中でも人気のスポットの一つである、パタヤで中国人観光客が王室を侮辱するような騒ぎを起こしたのは去る6月24日。鎖で囲まれ「よじ登り禁止」と注意書きもあった前タイ国王の署名がある岩によじ登り写真を撮影し、この行為が“王室を侮辱した”と騒動になったのだ。
“ほほ笑みの国”と呼ばれるタイの人にも逆鱗はある。旅行で訪れた際に気をつけたいことを、同国在住の日本人に聞いた。
「王室を大切にするタイでは、人前で王室を批判すると侮辱罪や王室不敬罪となり逮捕される可能性があります。国内には、あらゆる場所に王室の方々の肖像があり、それを指さして笑ったりする行為も慎んでもらいたいですね。ほかにも、ファッションとして定番の迷彩柄ですが、タイでは軍人以外の着用が法律で禁じられています。軍服法によると民間人が迷彩服を着た場合、3カ月以上5年以下の懲役刑が科せられます」
また、日本では何気ない行為が、タイでは大問題になるケースもある。
「タイの人は、自身の頭の上に神がいると信じています。ですから、頭を触るのはタブー。たまたま居合わせたかわいい赤ちゃんや子供であっても、頭を撫でてはいけません。実際に、訴訟問題になったこともありました」
接触という点で注意したいのは、お坊さんだという。
「敬虔な仏教国のタイは、街のいたるところにお坊さんがいます。女性は、お坊さんに触れてはいけません。もし触れた場合、そのお坊さんは降格となります。風が吹いて、お坊さんの袈裟が女性に触れることもいけないので、すれ違うような場面では道を譲るくらいの気遣いが必要です」
いよいよ始まる夏の旅行シーズン。楽しい旅になるよう、渡航先のお国事情は知っておこう。