「誰一人、出てこんのけ」
「今シーズンの感謝もないんけ、お前ら」
「だから岡田は嫌いなんよ」
SNS上に怒りの罵詈雑言が並んだのは、8月14日に東京ドームで行われた「巨人×阪神」の試合直後だ。
この日は今シーズンの東京ドームにおける阪神にとっての最終戦ということで、昨年同様、スタンドに詰めかけた東京のトラ党への挨拶をファンは待っていた。
ところが、4回裏に巨人の浅野翔吾に満塁弾を浴びて、そのまま0-4でなすすべなく敗戦。その負けっぷりとカード負け越しなどが重なり、岡田彰布監督の頭に血が上ったのだろう。試合後は、残念すぎる試合内容にも負けずチームへエールを送るファンを無視して、挨拶なしで引き上げてしまったのだ。
こうなると、頭に血が上るのは岡田監督だけではない。東京ドームで観戦したファンからはバッシングコメントが怒とうのように投稿されてしまったのだが、
「一部には怒るファンをなだめるように、8月14日というまだ早い時期だけに岡田監督が東京ドーム最終日だと気づいてなかったのではないか、という擁護コメントがありました。しかし、ベンチ内でコーチ陣が見せた戸惑いぶりからしてそんな勘違いがあるわけがなく、たかだか1つの負けでファンへの挨拶をボイコットしてしまう岡田監督への非難が増すばかりでした」(野球記者)
ファンへの挨拶はあくまでサービスであって義務ではないが、今回のバッシングの中に「人気に胡坐をかいてると痛い目にあうぞ」という言葉があった。
「かつての巨人一強時代と違い、プロ野球チームへの人気は分散しています。今シーズン開幕前のあるネットアンケートでは『好きな球団』の1位は巨人ではなく、阪神でした。一方で『嫌いな球団』の1位も阪神でしたから、ファンの熱狂度がアンチを生んでいるという背景はあります。それこそ、かつての巨人と同じ状況が今の阪神というわけです。ならば、せめて慣例となっている挨拶ぐらいはこなして、プロ野球人気を引っ張っている阪神ファンを労うことはもはや義務同然だと感じるのですが」(前出・野球記者)
大切なファンを平気でないがしろにするということは、もはや「アレンパ」できなければ辞任覚悟ということか。選手やコーチ陣に挨拶する気持ちがあったならとても残念な話だが、それもこれも岡田監督次第ということだろう。今回の身勝手決断の結末や、いかに。
(田村元希)