スポーツ

いつの間にか「タブー」になっていたレスリング圧勝金メダリスト藤波朱里の「身内話」

 パリ五輪では史上最多となる8個の金メダルを獲得した日本レスリングチームだが、中でも圧倒的な強さを見せたのが、女子53キロ級の藤波朱理だった。

 藤波は全試合で失点0。決勝では、2023年の世界選手権で勝利したものの大量失点した因縁の相手を下し、中学から続く公式戦の連勝記録を「137」に伸ばした。

 3月の練習中に左肘の靱帯断裂に見舞われ、本番5カ月前に手術。公式戦は約7カ月ぶりとなったが、次元が違う圧勝劇だった。とはいえ、そろそろ減量がキツくなっているようで、次回のロス五輪は階級を上げて2連覇を狙うと思われる。

 金メダルを獲得すると、父でコーチの俊一さんに飛びついて喜びを爆発させた藤波。これまでその父の献身的サポートがあったことが、大々的に報じられている。

 元々は父と兄に憧れてレスリングを始めたことは知られているものの、金メダル獲得後、兄の名前やその存在は全くメディアでクローズアップされていない。

 藤波の兄は、全日本選手権を制するなど活躍し、男子フリースタイル74キロ級の東京五輪代表候補だった藤波勇飛。パリ五輪を目指すことなく、総合格闘家に転向した。だが、思うような結果を残していない。

 格闘家転向後、アマチュアで1勝2敗、プロで1勝1敗の成績を残すと、2022年7月に予定されていた試合をぎっくり腰で欠場し、不戦敗に。その後、プロのリングに上がった記録は残されていない。スポーツ紙記者が語る。

「不戦敗になった後、腐ってしまい、さらにはジム内でトラブルを起こすなどして音信不通状態に。格闘家を引退したようです。そんな状況もあってか、藤波に兄のことを聞くのはいつの間にかタブーになってしまいました。どこかで妹の金メダル獲得を喜んでいるんでしょうが…」

 連勝記録を伸ばしつつ、兄のことを語る日が来るのか、気になるところである。

(高木光一)

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