スポーツ

緊急降板の佐々木朗希にロッテファンが浴びせた「いい加減にしろ!」に隠された意味

 千葉ロッテ・佐々木朗希の「緊急降板」で見えてきたものとは…。

 それは8月15日の日本ハム戦での場面だった。佐々木の2イニング目のマウンドで、打球が左足アキレス腱付近を直撃。大事には至らなかったものの、その舞台裏を聞くと「佐々木の今の立ち位置」がわかってきたのだ。

 佐々木は一度ベンチに下がり、再びマウンドに戻っている。投球練習をしてみて「ダメだ」と判断され、降板することに。

 降板を告げられた佐々木がベンチに下がる際には、ロッテ応援席あたりから「いい加減にしろ!」の声が飛んだ。

 試合後の吉井理人監督は佐々木の症状について質問されると、こう答えている。

「まだ詳しい状況は聞いていないんですけれども、『跛行』しているので、次の登板はもうちょっと様子を見ないと」

 ヒトの動作や医療でも使われる言葉だそうだが、競馬に詳しい吉井監督らしい表現である。これまでも「気合い乗りが」「放牧状態」と佐々木の状態を取材陣に説明してきたが、これでは年間数回しか走らないGⅠ馬か虚弱馬のようだ。

「打球直撃後の佐々木の状態? 投げるだけなら大丈夫そうでした。でも試合中に何が起きるのかわからないし、送りバントの打球を追いかけた時に大ケガにつながってしまうことがあるので、大事を取ったようです」(球団関係者)

 佐々木が一度マウンドに上がってから降板が決まったが、実はコレ、「フェイク」だったようだ。打球が当たった直後から2番手の坂本光士郎が投球練習を開始していたが、時間が足らなかった。そのため、ロッテ陣営は坂本に投球練習をさせる時間を稼ぐため、あえて「続投するか降板するか分からない」として、一度マウンドに向かわせたのだ。佐々木にとっては屈辱的な時間だったかもしれないが、リリーバーのために時間稼ぎに協力した。

 もっとも、この時間稼ぎは投手にアクシデントがあった際、どの球団もやっていることで、日本ハム側もお互い様でお付き合いしていたそうである。

 佐々木はコンディション不良でチームを離れている期間があった。それを取り戻すような快投劇を見たいと思っているファンは多いはずだ。

「いい加減にしろ!」の罵声は、佐々木の快投劇への期待の裏返しなのだろうか。

(飯山満/スポーツライター)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
獲得球団現れず…田中将大「1億円の大台」に固執なら「バナナの叩き売り」状態になる
2
【カナダの湖で大騒動】熊より巨大な肉食獣「ユーコン・ビーバーイーター」は巨大なナマケモノだった
3
4種類の抗ガン剤と副作用、そしてかかった治療費は…/東大病院でガン治療を受けた猫③
4
田中将大「日本で移籍先ナシ」で急浮上した「来春メジャーキャンプ招待選手」の選択肢
5
「大連敗ストップ」太川陽介に追い風が吹く「九州でバスVS鉄道」激突の「大分と熊本の恩恵」