現在、J1で首位を走るFC町田ゼルビアは8月17日のジュビロ磐田戦を4-0で圧勝し、圧倒的な存在感を見せつけた。ところがこの試合、いつもの「ルーティン」がダメ出しを食らう「事件」が起きた。
そのシーンは町田の3点リードで迎えた54分に発生した。FW藤尾翔太が折り返したボールがジュビロ磐田のDFハッサン・ヒルの腕に直撃。VDR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)により、町田にPKが与えられた。
キッカーの藤尾はここで、いつものようにボールに水をドボドボと掛けると、審判がホイッスル。藤尾からボールを取り上げ、濡れていない新しいボールに交換するようスタッフに指示したのだった。納得がいかない藤尾は両手を広げながら「おーい」と審判に詰め寄ったが、ボールが再度入れ替わることはなかった。
ボールへの水掛けはルール上、禁止されているわけではない。だが主審は「非紳士的行為」と判断したのだろう。
藤尾はボール交換後も右手に水を掛けるような仕草をして挑発。試合後、藤尾は「なんで?と思いました。キーパーグローブに水かけるのと変わらなくないですか」と首をかしげたが、「完全な非紳士的行為。町田はいつまで続ける気なのか」と、主審の判断を支持する声が出た。
藤尾の水掛けは今や完全なルーティーンになっており、6月30日のガンバ大阪戦では、吸水ボトルを手にする藤尾に相手選手がキレまくるシーンが見られた。
もはや確信犯ともいえる藤尾だが、快く思わないファンからは「水は『いろはす』がお気に入り」などと揶揄される始末。わざわざ水を掛けることでどれほどのメリットがあるのかはわからないが、「キックがうまい選手なら、確実に球速が上がる」とするサッカーOBの指摘がある。
とはいえ、疑問に思う選手やファン、審判がいる以上、このまま続けるのはなかなか難しいのかも。そもそもそんな小細工をしなくても、キッチリとゴールを決める実力があるだけに…。
(ケン高田)