「日本シリーズで松坂君から打ったことがあったんですけど、それは嬉しかったですね。シリーズもチームが強くて、4連勝できたんですよね。それもあって、よく覚えてますね」
元巨人の清水隆行氏が、記憶に残る自身のホームランを感慨深く振り返ったのは、YouTubeチャンネル〈ダグアウト!!!〉に出演した際のことだ。
2002年、清水氏は191安打で最多安打のタイトルを獲得し、原辰徳第1時政権1年目のリーグ優勝に貢献。日本シリーズでは伊原春樹監督率いる西武と対戦した。
その初戦、巨人は3回裏に先発投手の上原浩治が安打で出塁すると、清水氏は「平成の怪物」松坂大輔からシリーズ初本塁打となるツーランを放ち、チームは勢いに乗った。ところが清水氏は、その後の試合展開について、
「あのホームランで、僕のホームランがなかったことみたいになってるんです。あれ、同じイニングだったんですよ」
なにやら不満げだが、続けて清水氏が言うには、
「僕が(ツーラン)打って2-0になったんですよ。その後、ランナーを1人置いた状態で、清原さんが打って4-0になったんですけど、だいたいスポーツニュースは『2-0から清原の一発』で、僕(のホームラン)がなかったことに…」
清原和博のホームランはレフト方向、看板直撃の特大アーチだった。打った直後にバットを放り投げ、両手を広げる姿に「華麗なバット投げ」「清原のスイングフォームはマジで綺麗」といった声が。
結局、4-1で初戦を勝利した巨人が、勢いのまま4連勝で日本一に輝いた。それゆえに、笑って語れる美談ではなかろうか。
(所ひで/ユーチューブライター)