プロ野球2軍くふうハヤテベンチャーズ静岡に、圧倒的な守備力を持つ選手がいる。それが24歳の遊撃手・仲村来唯也だ。
くふうハヤテのチーム遊撃手の「RngR(守備範囲を表す指標)」は8月18日時点で「+13.5」で、2位の楽天「+7.7」、3位のDeNA「+6.2」を圧倒している。この指標は広範囲の打球をアウトにすると高得点につながるため、例えばRngRが10の選手と5の選手を比較した場合、10の選手が守っていた方が、失点を5も少なくすることができるのだ。
仲村はここまで82試合に出場し、打率2割1分8厘、2本塁打、27打点の成績。身長172センチと小柄ながら、逆方向に打球を飛ばせる打撃が魅力だ。仲村自身「どちらかというと、守備の方が自信がある」と語っており、深い位置からの力強い送球は、すでに1軍レベルといっていいだろう。
6月19日の広島戦では、野村祐輔がインハイに投じたカットボールを、ライトスタンド後方まで運んだ。ファーム公式戦をライブ&見逃し配信している「イージースポーツ」の公式Xでは「西武にピンズドだろ」「阪神が獲りそう」などと期待する声が上がった。8月20日の阪神戦では3回に右中間への先制タイムリー二塁打を放つなど、打撃力にも磨きがかかってきた。
打者を評価する指標のOPSは.575と平凡ながら、打撃は1軍コーチ陣の指導で改善する可能性がある。一方、守備力はもとより、肩の強さは簡単には向上しない。今季の広島・矢野雅哉のように覚醒する可能性があり、ロマンあふれる選手といえよう。
すでに24歳の仲村に「遅すぎる」という声は上がっているが、今や西武の不動の遊撃手となった源田壮亮がプロ入りしたのは23歳の時だった。しかも源田は社会人時代、主に代走や守備固めとして経験を積み、日本選手権に出場した苦労人。仲村も源田のように大化けしたら…と、ファンにとっては夢のある話になる。
今後、元来のパンチ力にさらなる磨きがかかれば、大きなチャンスが訪れるかもしれない。
(ケン高田)