もはやこれまで、か。猛暑の夏だというのに、窮地に追い込まれている中日ドラゴンズ・中島宏之の首筋が寒いのだ。
巨人から中日に移籍した今季は、4月に右手骨膜損傷で離脱。15試合に代打出場して無安打、7三振である。通算1928安打、994打点と節目が間近に迫っているが、どうにも先が見えないのだ。
「直球に差し込まれて、打ち返すことができなくなりました。明らかな衰えが出ています。ケガによる調整不足もあって、残念ながら新天地ではうまくいっていません。今季限りで中日を退団する運びとなりそうです。チーム内もベテランの扱いに困り、中島の孤立を招いていますね」(スポーツライター)
通算打率2割9分2厘、209本塁打。西武に始まり、アメリカのマイナーリーグやオリックス、巨人を渡り歩いてきた巧打者。貧打に苦しむ古巣の西武に、コーチ兼任で電撃復帰するプランが浮上しているという。
「西武は他球団に移籍したOBを呼び戻して、コーチや監督として再生させています。若手の面倒見がいい中島は、将来の指導者候補でもある。松井稼頭央や松坂大輔のように、西武が現役最後の花道を用意して引退させてやるのが筋道となります。来年は栗山巧、中村剛也と往年のトリオがみられるかもしれません」(前出・スポーツライター)
巨人では若手に与える刺激、コーチとしての役割を求められ、後輩選手からは「感覚的なことを教えてもらえる」「相手投手との間合いの計り方がわかりやすい」と、そのアドバイスが好評だった。最晩年をどう過ごすのか、見ものである。
(渡辺優)