来季の戦力構想から外れ、今季限りで巨人を退団する41歳の中島宏之が「ポスト松井稼頭央」として、古巣・西武入りする可能性が浮上している。スポーツ紙デスクは「十分にありうる話」として、次のように事情を解説する。
「今季の西武は森友哉がFA移籍し、4番・山川穂高を女性スキャンダル問題で欠いた。今季は最下位争いでも、松井監督の首はなんとかつながりました。とはいえ、現状の松井体制では来季以降も苦しいのは確か。渡辺久信GMはそろそろ、次期監督の人選を考えているはず。OBでもある中島もその候補でしょうね」
かつて黄金時代を築き、人気球団だった西武だが、最近では12球団で下から数えるほどの不人気球団に成り下がった、と揶揄されている。交通アクセスがよくないメットライフドームを本拠地にしていることもあり、集客には限界がある。そのため、さいたま市内の大宮に本拠地を移転するプランも囁かれているほどだ。
本来なら黄金時代を知る経験豊かなOBか、大物の監督経験者が監督に就任してチームを立て直し、優勝争いを演じることで人気を回復させることが近道だ。だが、大物OBの秋山幸二氏や工藤公康氏に監督就任を打診しても、資金面で潤沢ではない西武を率いるメリットはない。大物外国人選手獲得やFA戦線に参戦する可能性は低く、チーム強化が望めないからだ。今さら火中の栗を拾う人間はいないだろう。そこで持ち上がっているのが、将来的に中島を監督に就任させるプランだというのだ。前出のスポーツ紙デスクが言う。
「中島は2000安打達成の可能性もあり、短期的にみても興行的なメリットはある。オリックス、巨人、アメリカでもプレーした、経験豊富な選手。侍ジャパンのメンバーだったこともあり、プレーヤーとしての実績は申し分ない。引退後、指導者として何年か修行させれば、十分に監督はできるでしょう」
「安く買い叩ける。中島に恩を売れる。デメリットはあまりない」の3点セットが魅力的だというのだが、安物買いの銭失いにならないよう…。
(阿部勝彦)