広島が阪神との3連戦を1勝2敗で負け越した。2位の巨人は中日戦を2勝1敗で勝ち越したため、ゲーム差は再び1に縮まった。
広島は雨天中止などもあり、巨人や3位・阪神よりも残り試合数が多いのは有利だが、残りのカードを全て勝ち越す勢いで、ペナントレースを駆け抜けたいところだ。
ところが、ここに大きな問題が発生した。8月27日からは中日、30日からはヤクルトとの3連戦が控えているのだが、ここに「最悪の鬼門」が立ちはだかるからだ。
それは「高橋」である。実は今季の広島は、「高橋」にはめっぽう弱いのだ。
自身初の2桁勝利を達成した中日・髙橋宏斗は、広島戦に3登板して3勝0敗、23投球回で防御率0.00である。ヤクルト・高橋奎二は、6登板して2勝1敗、36回を投げて防御率1.75と、いずれも広島をカモにしている。
いや、広島打線が顔も見たくないのは、この2人だけではない。今夏、育成から支配下に返り咲いた阪神・高橋遥人は、2登板で2勝0敗、11投球回で防御率0.82と、見事に鯉打線をねじ伏せている。
とりわけ中日の高橋は登板した3試合全てでクオリティースタートを満たすばかりか、1点も失っていない。防御率は0.96で(8月26日時点)、あと5回となった規定投球回をクリアすれば、広島の大瀬良大地を抜いて、一気に防御率トップに躍り出る。最高勝率のタイトルも狙えるため、日程次第では広島戦にぶつけてくる可能性があろう。
古参の広島ファンからは、チームと袂を分かったかつてのスター選手・高橋慶彦を引き合いに「高橋の呪い」などと揶揄する声がある。しかしこの広島OBは、今季の優勝予想に広島を挙げているのだから、さすがに的外れというものだが。
広島が優勝するためには「3人の高橋」攻略が必須となるのだ。
(ケン高田)