メジャーリーグでも活躍した野球解説者・上原浩治氏のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉に、セ・リーグ記録となる5年連続盗塁王(2001年~2005年)に輝いた阪神OBの赤星憲広氏が出演。星野仙一監督にドツかれた「事件」を「これは僕が悪いんですけど…」と回顧した。そのワケは…。
阪神が星野監督体制になって2年目の2003年。当時、主に1番を任されていた今岡誠が出塁しても、2番の自身には、
「バントのサインは出さない。今岡がランナーに出たとしても、お前は打て。最悪、入れ替われ。お前が走ったら(盗塁したら)同じだから」
そう指揮官から聞かされていたという。つまりは、打ちにいってゲッツーになってもいい、というのだが、この年の赤星氏は併殺打「15」を記録。
ある時、嫌な感じが頭にチラついていた赤星氏は走者一塁の場面で、星野監督の「打て」のサインを無視して、犠打バントを決行する。これが成功し、ランナーがホームに生還して1点をもぎ取った。
「いいバントをした」とホッとしてベンチ裏に下がると、すれ違いざま、裏拳を赤星氏の顔面に放った星野監督に怒鳴りつけられた
「誰がバントせぇ言うたんや。勝手なことするなら使わんぞ。今、1点入って喜んでるかもしれないが、俺は1点を取りにいく野球なんかしてない!」
阪神は2位の中日にゲーム差14.5をつけ、1985年以来18年ぶりとなるリーグ優勝を果たす。星野監督の目論見どおり、チーム打点695とチーム盗塁115はリーグトップだった。
赤星氏の名誉のために、この年、打率3割1分2厘、172安打、61盗塁(3回目の盗塁王)を記録してチームの優勝に大いに貢献したことを付け加えておきたい。
(所ひで/ユーチューブライター)