9月6日に18歳の誕生日を迎えられ、成人された秋篠宮家の長男・悠仁親王。成年皇族となるにあたって、自らの進路について語っている。
「2022年4月から、民法の定める成年年齢が20歳から18歳になったことにより、私も成年になるのは高校在学中になります。今は最終の学年として、進路実現に向けて努めつつ、学校行事を含め、残り少ない高校生活を大切にしたいと思います」
8月に京都で開かれた「第27回国際昆虫学会議」では「皇居のトンボ相」論文をポスター形式で発表。見事に「学会デビュー」を果たしたが、これが波紋を広げた。この「トンボ論文」を拠り所に、東京大学が2016年度から始めた「アドミッションオフィス推薦入試」、つまり「一芸推薦入試」に臨まれるのではないかと目されているのだ。宮内庁の吉田尚正・皇嗣職大夫は悠仁親王の誕生日に際し、
「根拠のない情報が流れている。成年になられたといっても、高校生でいらっしゃる。悠仁さまがご感想の中で述べられているように、進路実現に向けて努めて高校生活を大切にしたいとの思いを、私個人としても大切にさせていただきたい」
過熱する「進路報道」を牽制したのだった。もし悠仁親王が東京大学農学部に進学するとしたら、最大のネックとなるのが「警備上の問題」である。
全国50ヵ所に及ぶ3万平方メートル超の東京大学キャンパスの99%を占めるのが、農学部関連施設で、本郷キャンパス(他学部、病院を含む)だけでも所在地である文京区の面積の5%、文京区緑地面積の10%にあたる。しかも農学部の研究室に置かれている薬品や肥料は「爆薬」「火薬」の材料になりうる。全国紙社会部デスクは深い懸念を口にした。
「現状の皇宮警察の予算と人員のまま、広大なキャンパスで将来の天皇を警備しろというなら、あまりに無茶振りがすぎる」
それに東京大学農学部の昆虫研究の歴史は古いが、トンボ研究が盛んなのは農学部ではなく理学部だ。
東京大学以外に進学候補先として挙がった私立の東京農業大学と国立の東京農工大学では昨年、学生の逮捕が相次いだ。東農大ボクシング部員が麻薬と合成麻薬LSDの密売、東京農工大の大学院生は全国の大学や自治体、施設に30万件以上の爆破予告を送りつけた。この大学院生は初公判で「話題になるようなことをしたかった」と動機を述べている。
メディアでは玉川大学や明治大学なども候補先として挙げているが、悠仁親王がどこに進学しようと、SNSや動画サイトで己の自己顕示欲や承認欲求を満たすため「悠仁親王に直撃する」学生、院生のリスクはゼロではないかもしれない。
となると、一周回って姉の小室眞子さん、佳子さまの進学実績があり、武蔵野の自然に囲まれた三鷹市のキャンパスで自然科学を専攻できる「国際基督教大学(ICU)」に学籍を置き、トンボ論文の共著者らトンボ研究の第一人者が同大学の客員教授になる。これが最も波風を立てず、秋篠宮夫妻と悠仁親王のお気持ちも満たす「最適な進学先」になるのでは…。
論文共著者である清拓哉氏の所属は、財政難から昨年9億円のクラウドファンドを募集したことが記憶に新しい、国立科学博物館。東京大学の年間予算が2500億円なのに対し、国立科学博物館の予算はわずか35億円だ。
悠仁親王の進学を機に、ジリ貧の国立科学博物館に少しでも予算と人員が回り、悠仁親王が日本の自然科学研究の庇護者の象徴になる――。そんな落としどころを考察するのは不敬にあたるだろうか。
(那須優子)