ドジャースの伝説的左腕エース、クレイトン・カーショーが「(ドジャー・スタジアムで)あそこまで飛ばすのは見たことない」と舌を巻いた、今シーズン46号を日本時間の9月9日に行われたガーディアンズ戦で放った大谷翔平。
ライトのポールを上空で巻くようなあまりの打球の飛び具合に、審判団が集まってファールかフェアか協議する事態となったが、大谷がベンチ内で「ポールを越えてから巻いたんだよ」とジェスチャーしていた通り、本塁打に認定された。
これで盗塁数と合わせて「46-46」と、前人未踏の「50-50」へそれぞれ4つと迫った。自身のキャリアハイとなる46号に並んだことで、さらにここから勢いが加速され、近いうちに記録達成となるのでは…という声がこだましている一方で、実は一部からは異論の声がある。
9日に放送された「ひるおび」(TBS系)では、この大谷の豪快な46号を特集。ドジャースの試合スケジュールなどをパネルで掲げながら、28日にコロラド州のクワーズフィールドで行われるロッキーズ戦がXデーではないかと論じた。
番組中、MCの恵俊彰は「我々は歴史を見てるんですよ」とドヤ顔で語り、立て続けにコメンテーターたちに大谷への称賛を並べさせたわけだが、立川志らくは自身が長嶋茂雄時代から「(野球の)歴史を見てきている」と言いつつ、大谷の「50-50」はすぐに達成されるか、またはシーズン終了ギリギリになって、ハラハラドキドキの中で達成するのではないかと見解を述べた。理由は「(大谷は)漫画みたいなことをする人だから」というわけだ。
ところが志らくの楽観論の一方で、この日のゲストコメンテーターの野球評論家2人は番組の思惑とは違う意見を述べたのだ。スポーツライターが話す。
「元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏は、番組全体の雰囲気にボードを出しづらくなったと笑いながらでしたが、大谷が『50-50』は実現できないとして、『49-49』で終わるのではないかと爆弾発言をしました。理由はあまりに上手くいきすぎているという不安や、今後はチームの(勝率の)ためなどのプレーが優先されるからだという意見でした」
とはいえ、五十嵐氏は「どうせ達成するんでしょうけど」と苦笑いだったが、もう一人、MLBアナリストのAKI猪瀬氏は「52-52」と達成はもちろん、具体的な数値まで挙げていたが、そこは番組が掲げた理由とは一線を画していた。
「9月18日からのマーリンズ、21日からのロッキーズ、それぞれの3連戦で量産して達成するのではないかと述べていました。28日の(高所で)本塁打の出やすいクアーズフィールドまで待たずとも、両チームとも投手の防御率が非常に悪いことからここで打てるのではないかという計算です。ところが、盗塁は番組や世間が期待しているほど伸びないのではとも。50に到達した時点でケガを避けるために『盗塁はチームが止めるはず』と断言していました」
大谷の成績に関しては、10人集まれば10通りの予想がある。はたして誰の予想が当たるのか。まずは前人未到の記録へ1歩ずつ進んでいってほしいものだ。
(高木莉子)