大リーグは現地時間の11月6日(日本時間7日)、今オフにフリーエージェントとなる選手に来季契約を提示するクオリファイング・オファー(QO)の期限を迎え、大谷翔平とエンゼルスとの独占交渉期間が終了した。
大谷がエンゼルスからQOの提示を受けた一方、移籍先の最有力候補とされるドジャースは、今季のDHであるマルティネスにQOを提示しなかったと、ロサンゼルス・タイムズ紙が報じている。ドジャースは右ヒジのハイブリッド手術後で来季は投げられない大谷に「来季のDH枠は白紙にする」と意思表示した格好だ。
QOとは球団がFAとなる有力選手を残したい場合、対象選手に日本円にして1年約30億円の年俸を提示し、残留交渉の意向を選手に示すもの。30億円はあくまで手付金だ。提示された選手は30億円をベースに、球団と複数年契約などの交渉をしていく。
マルティネスはメジャーを代表する強打者だが、36歳とピークを過ぎ、左太腿の故障で今季は113試合の出場にとどまった。
米メディア「ジ・アスレチック」が実施したメジャー22球団、103選手へのアンケート調査でも、回答に協力した選手の過半数が「大谷が来季所属する球団はドジャース」と予想。しかもロスには店内に日本語のポップが並ぶ「ドン・キホーテ」などの日系スーパーが多く、大谷の主治医であるニール・エラトロッシュ医師もいる。トミー・ジョン手術を考案したジョーブ博士の愛弟子で、クリニックの継承者でもあるエラトロッシュ医師は、ドジャースのチームドクターも担当する。エンゼルス以上に大谷の肘の状態を熟知しているのが、ドジャースなのだ。現地記者によれば
「ドジャースなら、大谷は住み慣れたロサンゼルスを離れることもない。ドン・キホーテには大谷のスポンサーであるコーセーや西川寝具、セイコーの商品の取り扱いがある。中国とアメリカの関係が悪化し、アジア人ヘイトが今もくすぶる中、日系人だけでなく中国系移民、韓国系移民も多いロスで、大谷はドジャースにもスポンサー企業にとっても、アジア人富裕層を取り込む起爆剤となります」
来季はドジャーブルーが基調のドジャースタジアムのバックネット裏に、ドンペン(ドン・キホーテの公式キャラクター)が登場するかも。