「佐藤にエールを贈りたい。チャンスだと、スーパースターになるチャンスなんでね、少々の批判に負けず力を発揮して、大谷(翔平)に負けんぞって気持ちで、批判する人を圧倒するようなプレーをしてほしいなと」
これは野球解説者・江本孟紀氏の、阪神・佐藤輝明に向けた言葉だ。YouTubeチャンネル〈江本孟紀チャンネル「エモやんの、人生ふらーりツマミグイ」〉で語ったものだが、それは9月8日の「あの守備」を受けてのものだった。
ヤクルト戦で、その場面は訪れた。三塁への平凡な内野フライを捕球しようとした佐藤はなんと、打球を自身の頭に激突させて落球。これが今季12球団ワーストの23失策目となったのである。なんとも恥ずかしい凡ミスだが、江本氏のコメントは前向きだった。
「日本プロ野球界では、頭に当てて捕り損なった、けっこう立派な選手がいるわけですよ。例えば山本浩二(広島)さん、センターライナーみたいのを捕り損なって、デコに当ててね。もっと有名なのは、元中日の宇野(勝)選手ね。ショートフライを頭に当ててしまったとかね。けっこうないい選手がやるプレーじゃないか、ということでね、佐藤もね、山本浩二さんや宇野の仲間入りしたぐらいに思って、気楽に気持ちを切り替えて」
佐藤にとってはありがたい言葉だろうが、なにしろ「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」(フジテレビ系)の人気を押し上げた中日・宇野勝の「ヘディング事件」(1981年)に相通じる痛恨のエラー。
もっとも、宇野は1979年以降の7年間で6回のリーグ最多失策を記録するも、遊撃手部門でベストナインに選出されること3回(82年、84年、87年)。打撃面においては1984年、遊撃手としてプロ野球史上初となる本塁打王のタイトルを獲得している。
シーズン終盤、逆転アレンパに向けて猛進すべく、気持ちを切り替えて大爆発…といきたい。
(所ひで/ユーチューブライター)