元広島カープ監督で野球評論家・野村謙二郎氏の「過去の発言」が、改めて見直されている。
広島は天王山となる巨人との首位攻防戦を3連敗で終え、巨人とのゲーム差は4にまで広がった。連勝で一気に首位返り咲きを期待していたファンからは落胆の声が上がっているが、まさかの3連敗に納得のいかない一部のファンが暴走。特に9月11日の試合で勝利を目前にしながら四死球を連発した守護神・栗林良吏のSNSアカウントには誹謗中傷コメントが次々と投稿され、大荒れ状態に。
そんな中、2017年のクライマックスシリーズ(CS)で、野村氏がファンにお願いしたコメントが取り沙汰されている。
「選手たちには相当なプレッシャーがかかっているので温かい目で見てあげてほしい。カープらしい野球を必ずやってくれるはず」
この年のCSは、連覇を果たした広島が、1stステージを勝ち上がったDeNAとファイナルステージで対戦。ところが広島は初戦に勝利した後、まさかの4連敗。アドバンテージによる1勝を含む2勝しかできず、日本シリーズ進出を逃している。野村氏はCS第4戦を前に、
「ちょっと街で色んなところに行って話を聞いていると、ネガティブな話をよく聞くんですよ」
そう切り出すと、その上で先のコメントを発したのだ。地元広島のスポーツライターが語る。
「チームが優勝争いをしていることもあり、連日スタジアムは大入りですが、その分、負けた時のガッカリした空気感はハンパない。野村氏の『ネガ禁止令』は当時、多くのファンの心に響きましたが、7年経った今でも変わらぬ説得力がある。SNS上には心ない言葉が多数飛び交っていますが、一部のファンが当時の野村氏の発言を掘り起こして拡散させたことで、鎮静化に向かっています」
野村氏は巨人戦を前に、
「広島のリーグ制覇のチャンスはまだ十分、残されている。今、切り替えないでどうする」
と語っている。ゲーム差はその時よりも開いてしまったが、気持ちは今でも変わりないはずだ。
(ケン高田)