不評助っ人の中でもとりわけ、右肩痛で開幕に間に合わず、一軍合流を果たしたのが6月末だったマイコラス(28)は、チームのムードを悪くしている。
「昨オフに2年契約を結んだせいで、図に乗っておかしくなりましたね。右肩痛も“仮病疑惑”が根強くささやかれているほどです。おまけに8月28日にDeNA戦で先発した際、雨の中での試合続行に対して不満を爆発させ、バットをへし折ったり、ベンチを蹴飛ばしたり、問題行動を引き起こす始末。補強といえば、ローテの一角を担う逸材としてドラフト1位で獲得した桜井俊貴(22)もファームですら結果を残せず、まったく戦力になっていない。これでは巨人のフロントの責任問題となってもしかたがないでしょう」(他球団スコアラー)
こうした現状に怒りを増長させ、渡辺氏がつい最近、側近にこう驚きのひと言を口にしたというのだ。
「もう、ここは頭を下げてでもワンちゃんに帰ってきてもらうしかない」
「ワンちゃん」とは説明するまでもなく、王貞治氏(76)のこと。現役時代は現・終身名誉監督・長嶋茂雄氏(80)とともに巨人の黄金時代を支えたスーパースターだ。しかし、その王氏は現在、福岡ソフトバンクホークスの球団会長職にある。ソフトバンクの大権力者・孫正義オーナー(59)と強い信頼関係で結ばれており、ホークスにとっても象徴的な存在となっている。
「王さんが周囲に『もうそろそろ巨人に戻ってもいい』と漏らしているとの情報もあるんですが、ホークス関係者の話を総合すると『王さんが福岡の地を離れることは未来永劫、200%ありえない』というのが実情です」(球界関係者)
つまり、渡辺氏が無理を承知で王氏にラブコールを送らなければいけないほど、巨人の綻びが進行しているということなのだ。巨人の古参チームスタッフは「現場もヤバい」と問題提起し、懸念する。
「そのナベツネさんがかばっていた由伸監督だって、実際のところ采配や起用法がブレまくっている。今年は『新生ジャイアンツ』なんてうたっておきながら、気がついてみるとスタメンのクリーンアップに定着しているのは阿部慎之助(37)や村田修一(35)の大ベテランコンビでしょう。若手有望株の岡本和真(20)はファームで活躍しているのに一軍にもまったく昇格させない。これでは来季以降、チームは新陳代謝が行われずにますます衰退する。由伸監督やサポートすべき他の首脳陣が目の前のことしか考えられないから、こんな“ツギハギ野球”になってしまうのです」
将来の方向性が見えないまま重症化し、右往左往する巨人。対して、ムードを一変させて25年ぶりとなる悲願のVを間もなくつかみ、グングン上昇気流に乗る広島。両チームの「明」と「暗」は、そのままCSにも持ち越されるのだろうか。