10月19日に「第101回箱根駅伝予選会」が開催されることに先立ち、箱根駅伝を主催する「関東学生陸上競技連盟」(関東学連)は、陸上自衛隊立川駐屯地内での一般客の観戦禁止を発表した。
予選会は陸上自衛隊立川駐屯地をスタートしたあと、立川市街地⇒国営昭和記念公園のゴールを目指すハーフマラソン。本選に出場できる上位10校を目指して毎年、ドラマが生まれるため、生観戦を楽しみにしていた駅伝ファンは多かったのだが…。
この決定について、スポーツライターが事情を解説する。
「駐屯地内の規制時間間際など、観戦客がほとんど同じタイミングで移動するため、毎年、大混雑は必至でした。これまでも早めの移動を呼び掛けていましたがいっこうに変わらなかったので、何か大きな問題が起こる前に対策を打ったのでしょう。ちなみに沿道や国営昭和記念公園内で観戦することは可能です」
大会を円滑に運営し、選手の安全を最優先するのは当然のことだろう。
そんな中、陸上関係者が「決して他人ごととは思えない」と漏らす、生観戦回避を後押しする事件があった。
8月31日から9月1日に放送された「24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?」(日本テレビ系)で、芸人のやす子がマラソンランナーを務めた際、ゴール直前に沿道の人だかりの中から男性が手を伸ばし、やす子の胸付近に触れてニヤニヤする「セクハラ騒動」が勃発。過去にも迷惑系YouTuberの突撃トラブルが発生したことがあり、約2メートル間隔で警備員を配置して不審者を警戒していたが、一瞬のスキを突かれる形となった。
「これから本格的に駅伝のシーズンに突入します。特に箱根駅伝は、前年に活躍した選手が大スター扱いされるほど、熱烈すぎるファンが多いことで知られます。どんなに警備体制を強化しても『24時間テレビ』のような悪質なハプニングを完全に防ぐのは難しいでしょうね。結局、最後は観客のマナーを信じるしかない」(前出・スポーツライター)
安全が脅かされるほどに、どんどん規制を厳しくするしか手段はなく、このままでは冬の風物詩を楽しむことができなくなってしまうかも…。
(海原牧人)