「2025年大阪・関西万博」の開幕日にあたる来年4月13日、これまで素顔をさらしていない「覆面歌手」Adoのライブが、万博会場内で行われる。
ライブは会場西側に位置し約1万人を収容できる屋外広場「EXPOアリーナ」で開催。政府や日本国際博覧会協会(万博協会)には、高い歌唱力と刺激的な歌詞で若者を中心に人気が高いAdoの起用で、万博開幕を盛り上げる狙いがある。
なぜか9月18日付の米紙ニューヨーク・タイムズには、ライブを告知するAdoのイラスト付き広告が掲載されたという。
〈このような貴重な機会をいただけて大変光栄です。日本から世界中へ、私の愛する日本の文化や音楽の素晴らしさを私のパフォーマンスを通してたくさんの皆様にお見せできればと思っております。私自身もとても楽しみにしております!〉
そうコメントを寄せているのだ。
吉本興業の前会長で万博の催事検討会議共同座長である大崎洋氏は9月3日、大阪市内で第6回催事検討会議に出席した。その際、報道陣に対して大物アーティストの参加が内定していると明かし、
「僕なんかおしゃべりなんで言いたいんだけど、最後の詰めがあって」
アーティスト名こそ明かさなかったが、おそらくそれがAdoのことだったと思われる。
各国のパビリオン建設が大幅に遅れ、シャトルバスの運転手不足など問題が山積みの大阪万博。万博の音頭を取る大阪府の吉村洋文知事が率いる国政政党・日本維新の会、地域政党・大阪維新の会の支持率は急落中だ。そこでどんな手を使ってでも集客しようとしているのだが、
「金はいくらでも積める。そこでAdoにオファーしたようなのですが、Adoはすっかり『政治利用』される形になってしまいました」(全国紙政治部記者)
Adoは今年4月27日と28日、メジャーデビューから3年半のスピードで、女性ソロアーティスト史上初となる東京・国立競技場でのワンマンライブを開催し、2日間で14万人の観客を動員するほどの集客力を持つ。
万博のオープニングライブが決定したからには、開幕までのPR活動に駆り出されることになるかもしれない。
(高木光一)