近年、日本サッカーの人気低迷が問題視されている。かつて何もしなくてもスタジアムが満員になった日本代表の親善試合は、今では空席が目立つようになった。Jリーグは有望な若手選手が次々と欧州に移籍し、めぼしい選手が減ったことで、テレビのスポーツニュースで取り上げられることは少なくなった。
そんな日本サッカーの危機的な状況に、元日本代表の城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで、改革を訴えた。
Jリーグの観客動員数が減っている理由を、城氏はこう分析。
「(チームが)分散しすぎた。Jリーグの100年構想には近づいてきているけど、チーム数が多くなりすぎてサポーターとかファンの方、地域の方たちが分散されちゃったので、観客動員数が減っている。でも利点もあって、選手がやれる場所が増えた。どっちを取ったらいいのかっていうのは難しい」
今さらチーム数を減らすことはできないので、いい試合をして観客にハラハラドキドキするエンターテインメントを提供することが必要だと訴えたのである。観客が減った理由はもうひとつあるとして、
「民放(での中継)がなくなったことも大きい。有料放送になって、本当にサッカーを応援する人はお金を払ってでも見る。今、ニュースであまり取り上げられなくなって、民放でもやらなくなってきてると、一般の人はサッカーを見る機会がない。そこももう一度、見直さないと。皆さんの目に触れるのって大事」
ならばと、城氏はこんな提案をブチ上げたのである。
「クラブってお金がないんですよ。(Jリーグが開幕した)1993年と比べると、縮小したクラブ運営をしなきゃいけない。赤字のチームを作っちゃいけないと、ライセンス発行などの制度を(Jリーグが)作った。これがネックだと思う。クラブが大きなバクチに出られない。いい選手がいれば見に来てくれるが、経済的にできない。全部、悪循環になってる気がする」
観客動員数を増やすために、昔のJリーグクラブがよく行っていた「タダ券」の配布も必要だと訴える。地域の人が見に来てくれる環境を作るため、見直しをすべきだと、Jリーグに提案したのだ。
さらに「入れ替え戦」をもっと行うべきだとし、昇格を手にしたチームがスタジアムの基準を満たさないことで、昇格を諦めなければならない状況を撤廃すべきだと、強く主張した。かようにJリーグの問題は多いが、
「野村チェアマンはいろんな発想を持ってるし、いろんなことを改革したい、やってやるっていう人だから、期待している」
以前から自分を協会に入れるべきだと訴えている城氏。ぜひJリーグ入して、今回の提案を実現してほしい。
(鈴木誠)