公正取引委員会がプロ野球を運営する日本野球機構(NPB)内の日本プロフェッショナル野球組織に対して「警告」を出した。スポーツ紙デスクが語る。
「プロ野球選手会の求めに応じて、代理人同席での契約交渉が可能になったものの、日本弁護士連合会登録の弁護士に限定されていたことや、弁護士が複数のクライアントを抱えられない状態が独占禁止法に抵触する、というものです。9月に入ってから、NPB側はこれらの制限を撤廃しています」
本来ならば行政処分にあたる排除措置命令が下ってもおかしくない事案だが、警告にとどまったのは、
「正しく運用することが、公共性の高いプロスポーツ集団に求められ、それをすぐさま是正したことが大きい」(NPB関係者)
というのだが、肝心な問題は別のところにある。
「新たに統一されたルールを定めず、運用についての判断はあくまで各球団に委ねられました。となれば選手側が代理人交渉で同じ動きをしても認められる球団、認められない球団が発生します。考えられるのは、選手とマネージメント契約を結ぶ会社の担当弁護士や会社のトップが複数同席して交渉すること。メジャーリーグの例などを巧みに出しながら、折り合いが悪ければ交渉決裂。年俸調停が続出するかもしれない」(前出・NPB関係者)
近年は選手と事前の下交渉が進み、穏やかな契約更改が多かったが、再び嵐が吹き荒れるようになるかもしれない。