大相撲秋場所を大いに盛り上げた関脇・大の里。直近3場所合計33勝で大関昇進という目安だが、三役が2場所目ながら、なにしろ先々場所を小結で優勝したことや、先々場所と先場所に横綱・照ノ富士を撃破した実績がある。
大銀杏を結えない「ちょんまげ大関」の誕生が心を躍らせるのは間違いないが、一部の好角家は複雑な心中を抱いていた。角界関係者が明かす。
「大関に昇進すると、東京場所中のファン対応が難しくなります。というのも、大関は自家用車で両国国技館の地下駐車場に乗り入れることが許可されている。所属する部屋が近所にある正代は、大関時代も徒歩で通っていましたが、茨城県稲敷郡阿見町にある部屋から車で通勤する大の里は、地下駐車場に直行してしまうでしょう」
今場所中も、国技館からファンと横並びで談笑しながら帰るのがルーティンだった。
「JR両国駅に隣接した駐車場までの道中で、フランクにファン対応をしています。ファンの呼びかけに立ち止まって、スマホのカメラでツーショット撮影に応じることもしばしば。師匠の二所ノ関親方の指導で、大相撲はすなわち『客商売』という理解があるのでしょう。それだけに来年の初場所から、出待ちのファンは寂しい思いをすることになるかもしれません」(前出・各界関係者)
やはりどの世界でも、「推し」は会えるうちに会うべきものなのだろうか。