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ドロ沼の岡田武史を劇的に変えたドイツ留学の指導者哲学「監督はIが主語ではダメだ」

「チームも選手もぜんぜん伸びなくて、2年間やったけど、泥沼にハマッてしまって。このままやったら俺、ダメになる…」

「岡ちゃん」の愛称で知られるサッカー元日本代表監督の岡田武史氏にも、指導者として不遇の時代があった。YouTubeチャンネル〈おじおさんだけど、遊んでもいいですか?〉で岡田氏が振り返ったのは、古河電気工業(現ジェフユナイテッド市原)のコーチ時代の心境である。

 転機は1992年、みずからチームに志願した1年間のドイツへのコーチ留学だった。ドイツチームの監督の教えを得て、岡田氏はこう悟ったという。

「選手っていうのは、自分が有名になりたい、自分がうまくなりたい。これでいいんだ。主語が『I』でいい。監督は、俺が有名な監督になりたい、俺が好かれたいという『I』が主語じゃダメなんだ。いい選手を育てたい、いいチームを作りたい。その時は、時として鬼にならなきゃいけない。それをドイツで学んだんだよ」

 1993年のJリーグ開幕後、ジェフ市原のコーチに戻ると、

「劇的にチームが変わり出した。ジェフのサテライトがどんどん強くなっていって、毎日楽しくてしょうがなかった。そんな時にサッカー協会から『代表に来い』って。俺は『行かない』って言ったのに」

 ドイツには請われて赴いたわけではないことから、家探し、チーム探しから始め、ドブに落ちたボール広いから信用を得たことも回顧。けっしてエリート街道を歩んできたわけではないのだ。

 その後、岡田氏は監督として日本代表を初めてFIFAワールドカップ(1998年)出場に導き、また2010年のワールドカップでは、国外開催大会で初めて決勝トーナメント進出を果たしたのである。

(所ひで/ユーチューブライター)

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