SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)が東京・赤坂にある本社ビルを、不動産大手のヒューリックに売却していたことがわかった。
同ビルは旧ジャニーズ事務所が2018年2月に取得。7月に同じく赤坂にあった本社をこのビルへと移転していた。しかし、創業者のジャニー喜多川氏による史上最悪の性加害事件が明らかになったことで、昨年10月17日、SMILE-UP.に社名変更。それに先立ち、ビル最上部にあった「Johnny&Associates」の看板を撤去していた。
ヒューリックに売却後も、SMILE社が同ビルを継続してリースし、本社として使用しているという。
SMILE社が現在行っているのは、性加害被害者への補償業務のみで、それが終了後に廃業することになっている。都心の超一等地に本社を構えておく必要はなかったのだろう。同社からタレントのマネージメント業務を今年4月に引き継いだ新会社STARTO ENTERTAINMENTは、都内の別の場所にオフィスを構えている。
SMILE社の公式サイトによると、9月13日時点で合計998名から補償申告があり、被害者救済委員会から補償内容を通知した524名のうち、501名が同意。492名には補償金を支払ったという。
「被害の程度によりますが、1人あたりの補償額は、多くても1200万円ほどと言われています。とはいえ、ざっと計算しただけでも、数十億円は補償金に充てられている。SMILE社の藤島ジュリー景子前社長はジャニー氏、母のメリー喜多川氏の遺産を相続していると思われますが、創業家が私財をなげうって被害者に補償するのではなく、SMILE社に支払わせ、補償金を捻出するために本社ビルを売却したとみられます」(ベテラン芸能記者)
芸能界に帝国を築いた旧ジャニーズ事務所だが、事務所の衰退による収益減にともない、ついにその「本丸」とも言える本社ビルを手放すことになってしまった。
(高木光一)