9月20日から22日の「国内映画ランキング」(興行通信社提供)が発表され、公開5週目を迎えた満島ひかり主演の「ラストマイル」が週末3日間で動員23.7万人、興収3億5800万円とし、再び1位に返り咲いた。9月23日の祝日を含む公開32日間の累計成績は、動員315万人、興収45億円を突破した。
前週の1位は、長澤まさみの主演映画「スオミの話をしよう」。三谷幸喜が「記憶にございません!」以来5年ぶりに手がけた映画監督・脚本作品だ。突然失踪した女性(長澤)と、彼女について語り出す夫と4人の元夫たちを描いた、ミステリーコメディーだ。
公開初週は月曜日の祝日を含む4日間で動員43.1万人、興収5億9700万円を記録したが、2週目は3位にランクダウン。週末3日間で動員17.3万人、興収2億4500万円、24日までの公開12日間で興収11.4億円、観客動員数83万人を突破したのだが…。
「なにしろ『スオミ』の評価は賛否両論真っ二つで、悪評を見て鑑賞をやめてしまったファンは多いのでは。それに比べて『ラストマイル』は高評価が多いので、連休で客足を伸ばしてロングヒット作品となっています」(映画関係者)
「スオミ」は製作に名を連ねるフジテレビ、三谷氏がレギュラー出演するTBSの「情報7daysニュースキャスター」で大々的に番宣を行っただけに、客が入らないはずはないが、それでも確実に客足は遠のき始めたというのだ。いったいなぜか。
「三谷氏の『長澤愛』が前に出すぎて、空回りしてしまっています。三谷氏の『黒歴史』といえば、シュールなストーリー展開や、あまりにブッ飛んだ設定で酷評が相次いだ、2015年公開の『ギャラクシー街道』が挙げられます。今作はそれを下回るかもしれない、と言われているほどで…」(映画担当記者)
各メディアによると、「スオミ」はフィンランドの首都ヘルシンキで開催中の「第37回ヘルシンキ国際映画祭」に特別招待され、9月24日(日本時間25日)、海外で初上映となるインターナショナルプレミアが行われたという。
海外の観客の評価は気になるところだが、フィンランドで上映されたのは、映画タイトルそのものに理由がある。そのいきさつを知ったら、いろんな意味で衝撃かもしれない。
(高木光一)