阪神は9月29日に甲子園球場で行われたDeNA戦を7-6で勝利。シーズン2位を確定させたことで、10月12日から始まるクライマックスシリーズ・ファーストステージを本拠地・甲子園球場で戦えることとなった。
今季チーム最多の13勝を挙げている同士、才木浩人と東克樹の投げ合いで始まったこの日の試合は、5回まで2-2と1点を争う緊迫した展開。
ところが6回表、才木は無死から4連続長短打で3点を失い、7回は代わった漆原大晟が1点を献上して、試合は決まったかと思われた。
前日のV逸ショックが残っているのようなムードだったが、ここから本来の粘りが打線に戻ったのだ。7回裏、佐藤輝明のタイムリースリーベースなどで一挙に5点を取って逆転すると、その後は桐敷拓馬とゲラが締めて勝利を収めたのだ。
この逆転勝利は大きいと、在阪スポーツ紙デスクが語る。
「阪神は残る2試合もDeNA戦。そして、おそらくCSでもDeNAと相まみえる可能性が高い。シーズン中の戦いで五分だったDeNA戦に苦手意識を持たずに済んだことが大きい。さらに、順位が決まった阪神は残り2戦は主力や登板過多気味の投手を休ませることが可能。岡田監督は29日に投げたゲラを30日に、岩崎優は30日に登板させた翌10月1日に登録を外し、CSに向けて調整させます。最優秀中継ぎのタイトルがかかる桐敷拓馬、最多安打のタイトルの可能性もある近本光司は別として、ベテランや中継ぎ陣を休ませられるのは大きく、新たな戦力を試すことが可能です。とにかく、29日の逆転勝ちのおかげで、まだ順位を確定できていないDeNAに比べてCSは圧倒的に有利になりました」
あとは、岡田彰布監督の目に留まるポストシーズンの〝シンデレラボーイ〟の発掘だ。
(石見剣)