宮崎氏がズバリ指摘する。
「石川は小さい時から、フルショット至上主義の勝美氏に教えられ、風の具合で緩急をつけるなど、飛ばしたり抑えたりというコースマネジメントができていません。ゴルフそのものへの取り組みが破綻しており、だから今季、こんな成績なのです。そんなゴルフをしているうち、ライバルとされるローリー・マキロイはゴルフの『幅』を身につけ、はるか上を行ってしまった。石川はどんどんダメになる一方です。世界中を見渡しても、父親がこれだけ干渉してベッタリな関係は見たことがない」
とはいえ、ゴルフ界を背負うべきスター選手の凋落を黙って見ているわけにもいかない。前出・PGA関係者によれば、
「青木功(70)、ジャンボ尾崎(65)、中嶋常幸(57)をはじめとする大ベテランや、マスコミ、テレビアナウンサー、PGA役員などが口々に、『ちゃんとしたプロコーチをつけるべき』と言っています」
はたして「チーム遼」と勝美氏は聞く耳を持つのか。
「もしティーチングプロを雇っても、勝美氏がいるかぎり、役割を果たせないでしょう。以前、マイク小西というプロコーチに臨時コーチを依頼したことがありました。が、勝美氏が口出しして、彼を通してしかアドバイスができなかった。そのアドバイスが必要ないと勝美氏が判断すると、石川には伝わりませんでした。これではコーチを頼む意味がありません」(宮崎氏)
マスコミもそうした問題点を指摘すべきなのだが、前出・スポーツ紙デスクは、こう言って苦笑するのだ。
「気に入らない記事が出ると勝美氏は、『お前ら、ウチの遼で食ってるんだろ。そんなくだらないこと書くんじゃねぇ!』と、すごい剣幕で電話をかけてくる。しかも部長クラスに。その後、現場の担当記者には『お前らの会社の偉いやつはみんな知っている。変なこと書いたら飛ばしてやる』とスゴむんですよ」
実は今、あのタイガー・ウッズを18歳から指導した名コーチ、ブッチ・ハーモンが石川のプレーを見て、「すばらしいポテンシャルを持っている。一度、この手で指導してみたい」と興味を示しているのだという。宮崎氏は言う。
「石川の耳には(ハーモンのメッセージは)もう入っていると思います。普通はグラッときますよ。まして、今の惨憺たる成績では、一流コーチをつけて立て直したいはずだから。でも、もしかしたらその気がないのかもしれません。石川のゴルフを見ていると、本当につまらなそうに仏頂面でやっている。もうゴルフに興味をなくしているんじゃないかと感じるほどです」
来季、石川は米ツアーに本格参戦する意向だという。人生をどう変えるかは、本人の意思、決断にかかっているのだ。