スポーツ

尾崎魔弓はヒールでも男性から大人気/「極悪女王」より過激!駆けめぐる青春 「女子プロレス」リングの女神伝説(2)

 84年に結成されたクラッシュギャルズ。男子プロレスの技をそのまま持ってきたのがクラッシュのスタイルだった。特に長与はUWFに影響されていた。

「あの頃、三禁だったはずだけど、俺が新宿の居酒屋『北の家族』で働いてた時に長与が若手を引き連れて飲みに来てたよ。0時過ぎてたな。『なぜ北の家族に‥‥』と思いながら(笑)」(マグナム氏)

「極悪女王」では85年のダンプ松本長与千種の敗者髪切りマッチが描かれているが、女子プロレスでは盛んに行われてきたイベントだ。

「髪切りマッチはベビーフェイス対ヒールの完全決着戦かタッグチーム解消試合がほとんど。遺恨を溜めて溜めて、何で髪の毛まで切るの? というところまで行く。男の坊主よりやっぱり女の坊主の方が衝撃だからね。極悪同盟、やっぱり悪かったよ。それを悪徳レフリーが操っていた。タイトルマッチのレフリーが阿部四郎だったりするんだよ。絶対にカウント入れへんのわかりきってるのに(笑)」(マグナム氏)

 86年、第2の女子プロレス団体として旗揚げしたジャパン女子プロレス。創立1周年興行を観戦した亀和田氏はいっぺんでどハマりしたという。

「キューティー鈴木、人気ありました。みんなに可愛いと言われて。キューティーとプラム麻里子がジャパン女子のベビーフェイスで、その2人をいたぶるのがヒールの尾崎魔弓。尾崎にひと目惚れですよ」

 157センチしかない尾崎だが、それまでの「ヒールといったらデブで顔はペイント、そして凶器攻撃」というイメージを一新。男受けする「美魔女」という次世代のヒール像を確立した。

 ビジュアルだけだと思われがちのジャパン女子だが、尾崎にいたぶられていたキューティーも、

「実は受け身がうまかった。またその技を受ける表情がよくてね。よく週刊誌のグラビアに載った。『あんな顔して抱かれるのかな?』と妄想したファンも多かったはず」(マグナム氏)

 10人ほどの仲間とジャパン女子の試合を観戦していたという亀和田氏が回想する。

「当時バンドとしては休業状態だったサザンの関口和之君もいましたよ。僕の尾崎の話を聞いてフジテレビの向坂樹興、入社2〜3年目の軽部真一も『先生、尾崎かっこいいですね!』と、みんなまんまと尾崎のファンになりました」

 亀和田氏は仲間と共に尾崎のZINE(ファンマガジン)を共同制作していた。

 ある日、後楽園ホールの片隅で、仲間内にZINEを一冊500円で頒布していると後ろから圧を感じたという。

「振り返ると酒を飲んで赤ら顔、初老で銀髪の紳士に声をかけられた。『亀和田はんでっか。これが噂の尾崎のファンマガジンですね!』。それが作家の堺屋太一さんでした。誰のファンかと聞いたら『尾崎でんがな』と即答。堺屋さんって仕事人間で趣味がないんですよ。女子プロレスファンでも何でもなくて、唯一の趣味が尾崎魔弓だったんです」(亀和田氏)

 目の肥えた業界人をも射貫く魔力を放っていたのだ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き